目次
仕事で不安な状態とは
仕事の不安とは、仕事関連の物事に起因する不安のことを指します。
仕事における不安の内容や要因は個人によって異なりますが、その内容や要因にかかわらず、仕事の効率が低下したり、働き方に悪影響が及んだりすることがあるでしょう。
そのうえ、最終的に失業に結びつく可能性も秘めています。
このように仕事の不安は、放置してしまうと人に悪影響を及ぼすことがあります。しかし、適切に対処することで解消できる場合もあるでしょう。
そのためには、不安の対処法や原因を自身でよく理解することが大切です。
【ストレス解消】仕事の不安に押しつぶされそうな時の対処方法
仕事の不安に押しつぶされそうな時の対処方法として、以下のものを紹介していきます。
- 自分を客観視する
- 不安の原因を考える
- 仕事内容を整理する
- 周囲と自分との比較をやめる
- プライベートと仕事を区別する
- 仕事を休む
- 同僚や上司に相談する
- 専門家の診察を受ける
自分を客観視する
不安に押しつぶされそうなときは、自分を客観視すると良いでしょう。
自分を客観視するということは、悩んでいる自分の姿を第三者的視点で観察することです。
そうすることで冷静に自分の状況を分析し、現状を把握することにより、必要以上に不安を抱えることが少なくなる可能性があります。
例えば、自分を客観視するおすすめの方法として、不安に感じていることや悩みを紙に書き出してみる方法があります。
不安の原因を考える
不安に押しつぶされそうなときに、不安の原因を考えることも有効な手段と言えます。
不安の原因を考え、特定することで、不安を解決するための糸口を探せるでしょう。解決の糸口を見つけることは、仕事の不安を減らすための第一歩となり得ます。
また、不安の原因を特定する方法の一つに仕事中に感じた違和感や不安をメモしておき、あとで見返してみるといった方法があります。
仕事内容を整理する
仕事内容を整理することも、仕事の不安を減らすためにおすすめできる方法です。
タスクの内容を整理し取り掛かりやすくすることで、何をどのような順番で行うべきか理解できるようになるため、不安を減らすことができる場合があります。
周囲と自分との比較をやめる
周囲との比較をやめることも、仕事で不安な気持ちにならないために有効な方法だと言えます。
周囲の人と自分を比べることは、劣等感を抱いたり、自己肯定感が下がって不安な気持ちを強めてしまったりする原因になることがあります。
他人との比較は、モチベーションの向上などポジティブに働くこともありますが、ネガティブな面に働いてしまうこともあるため、注意しましょう。
プライベートと仕事を区別する
プライベートと仕事を区別することも、仕事で感じる不安を和らげるために有効である場合が多いです。
プライベートでは、意識して仕事を忘れる機会を作ることで、不安を抱く時間を短くできるため、不安感の軽減に期待できます。
例として、プライベートの時間は仕事に関する連絡の通知を切ったり、仕事に関わるアプリケーションを見ないようにしたりなどをすることで、プライベートと仕事との境界を明確にすると良いでしょう。
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仕事を休む
仕事に起因する不安が続くときは、仕事を休むことも一つの手段です。
しっかりと休み、リフレッシュすることで、スッキリとした状態で次の仕事に臨むことができるようになるでしょう。
その結果、仕事の不安を持ち越してしまうことが少なくなる場合が多いです。
また、休むときは仕事のことは考えず、気分転換やリラックスすることを目的に過ごすと良いでしょう。
同僚や上司に相談する
同僚や上司に相談することも、仕事で抱える不安に対処する方法の一つです。
ひとりで抱え込まずに周りと悩みを共有することで、抱えている不安の解決に役立つ手助けやアドバイスをもらえる可能性があります。
また、仕事の不安を周囲に打ち明けることで、自分の気持ちがスッキリする場合もあります。
周りに話を聞いてもらいたいと思ったときは、積極的に自分から発信すると良いでしょう。
専門家の診察を受ける
専門家に相談することも良い方法と言えます。
専門家の診察を受けることで、抱えている不安に対して適切に対処できるようになり、問題が解決できる可能性が高まります。
不安障害などの病気でなくても適切なアドバイスをもらえることがあるため、不安で押しつぶされそうなときは、専門家に相談すると良いでしょう。
仕事で不安になる主な原因
仕事で不安になる主な原因には、以下のものがあります。
- 仕事自体に関する原因
- 人間関係に関する原因
- 将来に関する原因
仕事自体に関する原因
仕事に関して不安を抱えてしまったときは、仕事そのものが原因であることが多いです。
例えば、任された仕事について疑問があったり、プレッシャーを強く感じたりすることで不安になってしまう場合などが挙げられます。
業務の不明点が多い
業務の不明点が多いと、仕事で不安を感じやすくなることがあります。
業務内容を正しく理解できていない場合、業務を遂行できるか不安になったり、タスクの順序がわからず悩んでしまったりなど、様々な不安の原因になるでしょう。
負担する責任が大きい
負担する責任が大きいことで、仕事についての不安が生じてしまう場合があります。
任された仕事の責任が大きいと、失敗した際に及ぼす影響や、周囲から受ける期待によるプレッシャーで、不安になりやすいとされています。
また、プレッシャーをひとりで抱え込んでいると、徐々に不安が大きくなってしまうこともあるため注意が必要です。
人間関係に関する原因
仕事に関する不安の原因として次に挙げられるものは、職場の人間関係です。
職場の人とは長い時間を共に過ごすため、人間関係が良くないとストレスがかかり、不安が蓄積されやすくなります。
人間関係の不安として主な理由に、職場に馴染めていないことや、同僚や上司との仲が良くないことなどが挙げられます。
職場に馴染めていない
職場に馴染めていないことは、人間関係の不安の主な原因であると言えます。
職場に上手く馴染めていない状態だと、疎外感を感じたり質問をしづらくなったりと、不安になる様々な要因に晒されやすいでしょう。
職場に上手く馴染めていない例としては、そもそも会社の雰囲気が合わないことや、入社直後で時間があまり経っていないことなどがあります。
同僚や上司との仲が良くない
仕事の人間関係で不安を抱えてしまう原因として、同僚や上司との仲が良くないことも挙げられます。
同僚や上司との仲が良くない場合、職場で気が休まらなかったり気を遣いすぎてしまったりと、ストレスを感じ不安になりやすいでしょう。
また、同僚や上司との仲が良くない具体例としては、苦手な性格の相手がいることや、そもそも職場でのコミュニケーションが活発でないことなどが挙げられます。
将来に関する原因
将来に関することも、仕事についての不安の原因になり得ます。
仕事の継続を考えた際に、自身の将来の姿や会社の将来性などにポジティブなイメージを抱けず、不安になってしまう人は多いでしょう。
将来的なキャリア・スキルアップへの不安
自身の将来的なキャリアやスキルアップをイメージできないことが原因で、不安を感じてしまうこともあります。
現状の仕事を続けるうえで、キャリアアップやスキルアップの可能性が低いと、仕事を続けることにメリットを見出しづらく、不安になってしまう人が多いでしょう。
例えば、仕事を続けても昇進の可能性が低いと感じられることや、仕事を続けることで得られるスキルが少ないことなどが挙げられます。
会社の将来に関する不安
会社の将来に関することも、仕事で不安になってしまう原因として考えられます。
将来的に会社の見通しが明るくないと、職業や給与の安定性に疑問を持ってしまい、不安になりやすいでしょう。
例えば、業績不振による減給やリストラ、会社の倒産に関する不安などが挙げられます。
仕事で不安を抱えやすい人の特徴
仕事で不安を抱えやすい人の特徴には、以下のものが挙げられます。
- 完璧主義な人
- 生活リズムが乱れている人
- ネガティブな人
- 周囲と話すのが苦手な人
完璧主義な人
完璧主義な人は、仕事において不安になりやすいと言えます。
このような人は、自分の不得意なことに敏感で細かなミスも許容できないため、上手くいかないと感じてしまうことが多く、他の人よりも不安を抱えやすいでしょう。
また、期待される以上に仕事をやり遂げようとすることが却ってプレッシャーになってしまい、不安に繋がってしまうこともあります。
生活リズムが乱れている人
生活リズムが乱れている人も、仕事で不安を抱えやすいと言われています。
生活のリズムが乱れ、睡眠や休息が不足すると、注意力の低下や心身の疲労が回復できないなどの不安の原因に繋がってしまうケースがあります。
また、生活リズムの乱れはうつ病の初期症状として現れることもあるため、心配な人は専門家に診察してもらうと良いでしょう。
ネガティブな人
ネガティブな人も、仕事で不安を抱えやすい人だと言えます。
ネガティブな人は、失敗を必要以上に恐れてしまうことがあるため、仕事で不安になりやすいでしょう。
また、ミスをした際に気持ちが沈んでしまい、さらにミスをしてしまうという悪循環に陥る可能性もあるため注意が必要です。
周囲と話すことが苦手な人
周囲と話すことが苦手な人も、仕事において不安を抱えやすい性格だと言えます。
周囲と話すことが苦手な人は誰にも相談できずに、問題を長い間ひとりで抱え込んでしまうことがあります。
その結果、問題の解決方法をうまく見つけられず、不安になってしまうケースが多いです。
このような人は、誰かに相談することですぐに解決できるような問題でも、ひとりで抱え込み、悩み続けてしまうことがあるため、注意が必要です。
仕事で不安を抱え続けることの悪影響
仕事で不安を抱え続けることの悪影響には、以下のようなものがあります。
- パフォーマンスの低下
- 周囲との関係悪化
- プライベート時間の損失
パフォーマンスの低下
仕事で不安を抱え続けることの悪影響として、業務でのパフォーマンスの低下が考えられます。
仕事に関して不安がある人は仕事に対する自信を喪失してしまい、やる気が起きなくなった結果、パフォーマンスが下がってしまうことがあります。
周囲との関係悪化
上司や同僚など周囲との関係悪化も、仕事で不安を抱え続けることの悪影響として挙げられます。
職場の人間関係で不安を抱え続けると、周囲との接触が億劫になり、結果として人間関係の悪化に繋がってしまうケースがあります。
また、周囲との関係悪化が原因で、新たな不安が生まれるといった悪循環に陥ってしまう可能性もあるため、注意しましょう。
プライベート時間の損失
仕事の不安を抱え続けることで、プライベートの時間を損失してしまう悪影響も考えられます。
プライベートに仕事の不安を持ち込むと、常に仕事のことばかり考えてしまい、休暇を楽しむことや心身を休めることができなくなる場合があります。
また、心身が休まらない状態が続き、体調が悪化してしまうと、精神疾患に繋がる可能性もあるため注意が必要です。
仕事で不安になるのは病気?
仕事で不安になる場合、「不安障害」という精神疾患である可能性があります。以下、不安障害について解説していきます。
- 通常の不安と不安障害の違い
- 不安障害の典型的な症状
不安と不安障害の違い
不安と不安障害の違いは、不安障害が通常の不安感と異なり、「本来の正常な範疇を超えて不安を感じてしまう状態」であることです。
不安障害(不安症)とは、過剰に不安を感じることで日常生活に支障をきたしてしまう精神疾患を指します。
不安障害の人が不安を感じてしまう対象や症状の現れ方は様々で、例えば強迫性障害や社交性不安障害、パニック障害、などが含まれます。
また、仕事のストレスなどの精神的な要因や、過労などによる身体的な原因で、通常の人でも不安障害になる可能性があるため注意しましょう。
不安障害の典型的な症状
不安障害になると、仕事に影響する様々な症状を発症してしまうことがあります。
また、不安障害には、以下の精神的または身体的症状が、典型的な症状として挙げられます。
精神的症状の場合
- 緊張感や不安感が常に続く
- イライラする
- 集中力が途切れる
- 落ち着かない など
身体的症状の場合
- 頭痛がする
- めまいがする
- 動悸がする
- 倦怠感がある
- 肩こりがある など
仕事の不安に関するよくある質問
仕事の不安やストレスで危険なとき、体にどのようなサインが現れますか?
仕事の不安やストレスで危険なときに現れるサインのうち、身体症状としては動悸や息苦しさなどが挙げられます。
また、精神症状には、抑うつ感や疲労感などがあると考えられています。
これらの症状は、不安やストレスが蓄積され自律神経のコントロールが不調となることで引き起こされる場合が多いです。
仕事で起こってもいないことが不安になってしまうのはなぜですか?
生まれつきの性格や、仕事でのストレス、過去の経験などが原因として考えられます。
起きてもいないことを考え不安になってしまう傾向が顕著な場合は、精神疾患が影響している可能性もあります。
「仕事で不安を抱えやすい人の特徴」に当てはまる人や、ストレスを多量に受けている人、過去の経験にトラウマがある人などは、起こっていないことに対しても不安になりやすい傾向があるでしょう。
また、うつ病や不安障害などの病気を発症しているときも、まだ起きていないことに対して大きな不安を抱えてしまうことがあります。
仕事の不安は慣れることで改善できますか?
仕事に関する不安は、慣れることで改善できる場合が多いでしょう。
職場や個人の性格にもよりますが、一般的には新しい職場に入ってから1ヵ月から半年程度で、職場に慣れたと感じる人が多いと言われています。
不安障害と診断された場合、どのように対処すれば良いですか?
不安障害と診断された場合は、専門機関での治療や、部署や業務内容の変更、休職や転職などの対処をすると良いでしょう。
専門機関で治療をすることで、適切に不安障害と向き合える場合があります。
また、職場と相談したうえで部署や業務内容を変更することで、仕事に関する不安を軽減することができるでしょう。
さらに、休職や転職で職場環境を変えることで、仕事の不安を感じにくくなる可能性があります。
不安障害の人に向いている職業はありますか?
不安障害の人におすすめできる仕事には、対人業務の少ない仕事や在宅でできる仕事、定型業務の多い仕事などが挙げられます。
例えばエンジニアなどの対人業務が少ない仕事をすることで、人間関係に関する不安を軽減できる可能性があります。
また、在宅でできる仕事であれば、通勤のストレスが減ったり、仕事中の周囲への配慮を減らしたりすることができるでしょう。在宅ワークの例としては、ライターの仕事などが当てはまります。
さらに、定型業務の多い仕事をすることで、仕事やプライベートの予定を立てやすくなったり、慣れない業務への不安が少なくなったりするでしょう。このような仕事は、一般事務職などが例として挙げられます。
【監修者プロフィール】
江東こころのクリニック院長
谷本 幸多朗医師
九州大学医学部卒業後、帯広第一病院にて救急医療や外科及び内科の研修を経験する。
2013年より久喜すずのき病院にて精神科急性期医療を後期研修し精神保健指定医となる。
2018年より江東区にて一般メンタルクリニックに加えて認知症デイケアを併設した物忘れ外来も行う精神科クリニックである江東こころのクリニックを開業し、現在に至る。
▼主な経験
・精神保健指定医の経験あり
・製薬会社主催の各講演会や地域の医療職対象の勉強会において講演や座長の経験多数あり