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人が緊張するのはなぜ?
人が緊張するのは、危機的な状況から身を守るための防衛反応と言われています。
そもそも、緊張とは人間の本能であり、大昔の生存競争に伴って発達したと考えられています。
緊張したとき、以下のような変化が体に現れることが多いです。
- 息が上がる
- 動悸がする
- 筋肉が強張る
筋肉の強張りは、災害や事故などの危機に相対した際に、力を発揮して自身で防衛するために発現することが多いです。また、大勢の人の前で話すとき、呼吸が浅くなる人が多いでしょう。これは、頭に多くの酸素を送り、実力通りのパフォーマンスを発揮するためと言われています。
緊張により上記の変化が現れることには、交感神経が関係していると考えられています。交感神経とは、体全体に興奮の刺激を伝える神経であり、脊髄と全身の器官を繋いでいます。そして、交感神経が優位になると、体に上記の影響が現れる可能性が高いです。
そのため、緊張により体に影響が出ることは避けられないため、正しい対応の仕方を学ぶと良いでしょう。
【大勢の前で話す人におすすめ】人前で緊張しない方法8選
人前で緊張しない方法として、主に以下の8つが挙げられます。
- 深呼吸をして息を整える
- イメージトレーニングをしておく
- 客観的に自分を見る
- 多くの人を意識しない
- 人前に出る直前に人と話す
- 過剰に心配しない
- 緊張感に慣れる
- 脳をリラックスさせる食べ物を事前に食べておく
深呼吸をして呼吸を整える
人前で緊張しにくくなる方法の一つに、深呼吸をして呼吸を整えることが挙げられます。深呼吸をして呼吸を整えることによって、気持ちが和らぎ緊張しにくくなる可能性が高いです。
なお、深呼吸は腹式呼吸をすると良い場合が多いです。
背中を伸ばして鼻からゆっくり空気を吸い込みお腹を膨らませてから、口からゆっくり息を吐くことが腹式呼吸のコツと言われています。
さらに意識して長めの深呼吸をすると副交感神経が優位になり、リラックスしやすくなります。
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イメージトレーニングをしておく
人前で緊張しにくくなる方法として、イメージトレーニングをすることもおすすめです。イメージトレーニングをすることで、プラスの感情や、成功のイメージを心に刻むことができると言われています。
その結果、失敗のイメージを払拭できて、気持ちに余裕ができる可能性が高いです。
ただし、イメージトレーニングは具体的に行うことが重要な場合が多いです。そのため、本番前の用意から本番中、本番後までの景色や気持ちを思い描いてイメージトレーニングすると良いでしょう。
客観的に自分を見る
客観的に自分を見ることで緊張しにくくなる場合があります。実際に緊張している自分を客観的に認識することで、周りからどのように見えているか把握できるでしょう。
また、自身の緊張の原因を把握し、自分がどのように振る舞うべきか考えられるようになる可能性が高いです。
ただし、自分の緊張を客観視できないほど緊張してしまうと、手の打ちようが無くなってしまう場合が多いため、わずかでも緊張の症状があると感じたら、客観的に自分を見ることで対策を考えましょう。
大人数であることを意識しない
大人数であることを意識しないことで、緊張しにくくなるでしょう。
スピーチやプレゼンをするとき、自分を見る多くの人に緊張してしまう人が多いです。また、聞き手との距離が遠いため、話しにくさを感じる可能性が高いため、結果的に、その話しにくさが緊張に繋がってしまうでしょう。
そこで、一人の人に意識を向け、会話のような感覚で話すと良い場合が多いです。一人の反応のみを見ることや、視線を合わせる人を絞ることで、聞き手との距離を感じにくく、緊張もしにくくなる可能性が高いです。
人前に出る直前に人と話す
緊張しにくくなる方法として、直前に人と話すこともおすすめです。大勢の前で話すとき、急に人前に出ることで緊張を助長してしまうでしょう。
対策として、本番の前に同僚などと話をしてから人前に立つと、緊張しにくくなる場合が多いです。また、プレゼン前に自分より後に入ってきた人に対して挨拶をしたり、軽い雑談をしたりすることも、緊張しにくくなる方法であると言われています。
過剰に心配しない
過剰に心配しないことも、緊張しないようにする上で大切です。
慎重な性格の人は、過剰に心配しすぎてしまい、緊張して力を出せないことが多いです。そこで、本番前でもリラックスし、過度に人前で話すことの失敗を考えて不安にならないようにすると良いでしょう。
多少の内容のミスや言い間違いをそこまで聴衆は気にしてないケースも多いと考えると、気が楽になる可能性が高いです。
緊張感に慣れる
緊張する場に慣れることで、緊張しにくくなるでしょう。
緊張感には慣れがあることが多いです。そこで、聞き手の数を10人から50人、100人と徐々に増やしていくことによって、大人数の前で話すときでも緊張しにくくなるでしょう。
脳をリラックスさせる食べ物を事前に食べておく
脳をリラックスさせる食べ物を事前に食べることで、緊張しにくくなる可能性があります。
脳はストレスや緊張を感じると、脳からセロトニンを分泌し、ドーパミンやノルアドレナリンなどの動きを抑制することで自律神経のバランスを調整します。このセロトニンの材料になるのが、トリプトファンであると言われています。
そのため、この必須アミノ酸であるトリプトファンを摂取できる食べ物を食べると良いでしょう。摂取することによってイライラや心配事が減り、ストレス軽減に役立つと言われています。
なお、トリプトファンは食べ物以外から摂取できないため、緊張を抑えたい日の朝ごはんなどに食べておくことで、ストレスを軽減し、緊張を緩和できる可能性が高いです。
ちなみに、トリプトファンを多く摂取できる食べ物として、納豆や味噌などの大豆製品、ヨーグルトや牛乳などの乳製品があります。
人前で緊張してしまう要因
人前で緊張してしまう要因は主に以下の3つであることが多いです。
- 満足に用意ができていない
- 聞き手の評価を意識しすぎてしまう
- 注目を浴びることに慣れていない
人前で話すときに緊張してしまう要因は、本人の性格ではなく、満足に準備ができていない事である場合が多いです。満足に用意をすれば、自分の話を堂々と話せる可能性が高いです。一方で、満足な準備ができていない状態で話すとき、緊張してしまう可能性があります。
また、聞き手の評価を意識しすぎてしまうと、聞き手の小さな反応を気にしてしまい、緊張してしまう場合もあります。自意識過剰の状態になると、誰にも分からないミスに反応してしまい、緊張感が強くなってしまうでしょう。
さらに、人前で話し注目を浴びることに慣れていないことから、緊張感を抱いてしまうこともあります。
緊張しすぎることによる影響
緊張しすぎてしまうと、自分の実力を出し切れないことが多いです。緊張状態が長く続くことによりストレスを感じると、「過緊張」になるケースがあります。過緊張になると思考停止してしまったり、声が出しにくくなってしまい、自分の実力を出せなくなる可能性が高いです。
しかし、全く緊張しないよりは、ほどよい緊張感がある方が良いため緊張を感じたときは、上記で解説した緊張しない方法を試して上手く緊張をほぐしましょう。過緊張を避けつつ、集中を保つことで、自分の実力を発揮できる可能性が高いです。
緊張しない方法に関するよくある質問
どんな場面で緊張することが多い?
主に人に見られていたり合否を判断されるような、日常では感じない感覚を感じると緊張してしまうことが多いです。
例えば、大勢の前でのプレゼンやスピーチ、就職活動の面接や試験などがこれに当たります。
緊張しやすい人の特徴は?
緊張しやすい人の特徴は主に以下の5つであることが多いです。
- 真面目すぎる人
- 消極的な考えの人
- 人と会話をすることが苦手な人
- 他人の評価を気にしすぎる人
- 他完璧主義な人
真面目すぎる人は、責任を強く感じてしまったり、何事も完璧にやろうとしてハードルを高く設定してしまうため、緊張してしまう場合が多いです。また、消極的な考えの人は、成功する姿をイメージできず、自信がないため緊張してしまうでしょう。
他にも、人と会話をすることが苦手な人は、自分の主張や意図を伝えることに不安を感じ、緊張してしまう可能性が高いです。また、他人の評価を気にしすぎる人や、完璧主義の人も同様に緊張しやすい傾向があるでしょう。
【監修者プロフィール】
江東こころのクリニック院長
谷本 幸多朗 医師
九州大学医学部卒業後、帯広第一病院にて救急医療や外科及び内科の研修を経験する。
2013年より久喜すずのき病院にて精神科急性期医療を後期研修し精神保健指定医となる。
2018年より江東区にて一般メンタルクリニックに加えて認知症デイケアを併設した物忘れ外来も行う精神科クリニックである江東こころのクリニックを開業し、現在に至る。
主な経験
- 精神保健指定医の経験あり
- 製薬会社主催の各講演会や地域の医療職対象の勉強会において講演や座長の経験多数あり