目次
【ストレスに弱い?】ストレス耐性を構成する要素
ストレス耐性を構成する要素には、以下のようなものが挙げられます。
- キャパシティ
- 回避する能力
- 感知する能力
- 処理する能力
- ポジティブにとらえる能力
- 過去の経験
キャパシティ
ストレス耐性を構成する要素の一つとして、キャパシティがあります。
キャパシティとは、ストレスを受け入れられる精神的な許容量のことです。この容量の違いによって、ストレスによる影響が変わると言われています。キャパシティが大きい人は、ストレスを受け入れられる容量が大きいため、ストレスによる影響が少なくなるでしょう。
しかし、キャパシティが小さいと、些細なトラブルでもストレスを感じてしまい、心身にストレス反応が出てしまうことがあります。
回避する能力
回避する能力も、ストレス耐性を構成する要素だと言われています。
回避する能力とは、問題が起きても深く考えすぎず、ストレスを感じずに流せる能力のことです。内分泌系に問題がない、かつ自律神経が整っている人は、心身の状態も良く、ストレスを回避する能力や余裕がある状態であることが多いと考えられています。
一方で、几帳面な人や真面目すぎる人は、ストレスを回避する能力が低いことが多いです。
以上のことから、ストレスを回避する能力は、その人の特徴や性格に依存すると言えます。
感知する能力
感知する力も、ストレス耐性を構成する要素の一つでしょう。感知する力とは、ストレスとなる可能性がある事象を感じ取る力です。トラブルが起こったとき、そのトラブルをストレスとして感じる人と感じない人とがいます。
例えば、自分の能力以上の仕事を任されたとき、自分のみが難しい仕事をやらされていると感じてしまう人は、ストレスを感じることが多くなりやすいです。一方で、自分は期待されていると感じる人の場合は、結果的にストレスを感じにくくなることが多いでしょう。
このように、同じ問題が起きてもストレスと感じるか感じないかで、ストレス反応に違いがある場合があります。
処理する能力
ストレス耐性を構成する要素として、処理能力も大事な要素と言えます。処理能力とは、ストレスを感じる原因となる事象を除去したり、ストレスの影響を小さくしたりする力です。
例えば、仕事で自分が抱えているクライアント案件が炎上した際に、混乱せずに冷静に順序立てて鎮火を図ることができるなどが、処理能力があると言えます。
ポジティブにとらえる能力
ポジティブにとらえる力も、ストレス耐性を構成する要素の一つだと言われています。これは、ストレスを感じるトラブルや出来事が起こっても、考え方を転換してポジティブな気持ちに切り替えることを言います。
ストレス源をポジティブにとらえることができると、楽観的になるため、ストレスを感じにくくなります。また、ミスや悔しい思いなどのストレス源をポジティブにとらえることで、失敗から学ぶことができ、自分の成長に繋がるでしょう。
過去の体験
ストレス耐性を構成する要素として、過去の体験も重要な要素であることが多いでしょう。
ここでいう過去の経験とは、今までのストレスへの対応や、どのくらいのストレスを感じてきたかなどの経験を指します。人は同じようなストレスを経験すると、ストレス源への対応力が上がり、ストレスを感じにくくなると言われています。例えば、就職活動で初めて面接をするとき、緊張からストレスを感じてしまうことがあるでしょう。
しかし、何社も受けているうちに面接の緊張感に慣れ、ストレスを感じにくくなる可能性が高くなります。
ストレスに弱い人の主な特徴
ストレスに弱い人の主な特徴には、以下のようなものがあります。
- 神経質な人
- 周りの目が気になる人
- ネガティブ思考な人
- 責任を感じやすい人
- 完璧を求める人
神経質な人
ストレスに弱い人の主な特徴として、神経質な人が挙げられます。神経質な人は、仕事の細かいところまで気にしすぎてしまい、上手くできているか不安になってしまうことからストレスを感じてしまうでしょう。
細部までこだわって仕事をすることは良いことですが、気にしすぎは自分を追い詰めることに繋がりやすいです。そのため、全ての仕事に優れた品質を求めるのではなく、程よく手を抜くことも重要と言えます。
周りの目が気になる人
周りの目が気になる人は、ストレスに弱いことが多いです。周りの目が気になる人は、人から認められたいという思いが強く、失敗を指摘されることを怖がる傾向があります。そのため、絶対に失敗してはいけないと、自分を追い込んでしまうことが多いです。
また、周りの目を気にしてしまい、自分の気持ちを伝えることができなくなっているような場合もあるでしょう。例えば、悩みを抱えていてもネガティブな印象を与えることを気にし、同僚や上司に相談することができずに、ストレスを一人で抱え込むようなケースが該当します。
ネガティブ思考な人
ネガティブ思考な人も、ストレスに弱いと言われています。ネガティブ思考な人は何事も悪い方向に考えてしまい、心が落ち着かないことから、ストレスを抱えやすいです。
また、このような人たちは、まだ現実になっていない先のことも心配してしまい、多くのストレスを感じやすいでしょう。
責任を感じやすい人
責任を感じやすい人も、ストレスに弱いと言えます。責任を感じやすい人は、自分に振られた仕事を完遂することができ、不安なく仕事を任せることができるという点で、上司や同僚からの評価が高い傾向があります。
しかし、自分の健康状態に問題があるときや、余裕がないときに頑張りすぎてしまうことが多く、心身に負担がかかってしまうでしょう。
完璧を求める人
ストレスに弱い人の主な特徴として、完璧を求めすぎてしまうことが挙げられます。完璧を求めすぎてしまう人は、成果が出ていても修正すべき点を見つけてしまうと、悪かったところのみを意識してしまい、良かったところに目がいかないことがあります。
その結果、悪かったところは自分のせいだと自分を追い込んでしまい、ストレスを感じてしまうでしょう。自分が気にする必要のないことまで気にしてしまうと、精神が不安定になってしまう可能性があるため、注意が必要です。
ストレスに強い人の主な特徴
ストレスに強い人の主な特徴には、以下のようなものがあります。
- 自信がある人
- 楽天的な人
- 寛大な人
自信がある人
ストレスに強い人の主な特徴として、自信があることが挙げられます。自分に自信がある人は、周りの人から叱責されたときでも、過度に自分を追い詰めることはないでしょう。
これは、自信のある人は周りの人からの評価に関わらず、自分を肯定し揺るがない自信を持っている場合が多いからだと言われています。
楽天的な人
楽天的であることも、ストレスに強い人の特徴でしょう。楽天的な人は、問題が発生したときに悩むのではなく、気持ちを切り替えて行動することの重要さを理解していることが多いです。そのため何か問題が起こってもネガティブに考えすぎないためストレスを感じにくいでしょう。
また、このような人たちは周囲の人に合わせて無理に自分の気持ちを言わなかったり、無茶な行動をすることが少ないです。そのため周囲の人や物事に振り回されることが少なくストレスを感じにくいと言えます。
寛大な人
寛大であることも、ストレスに強い人の特徴だと言われています。寛大な人は柔軟な思考をできることが多く、問題が起こったときに、状況に応じて適切に対処できるでしょう。
そのため、トラブルや周りの人のミスにイライラすることが少なく、ストレスを抱えにくいと考えられています。
【ストレスに弱い人向けに対策を紹介】ストレス耐性を高める方法
ストレス耐性を高める方法を、以下に紹介していきます。
- 気分転換をする時間を確保する
- 深呼吸をする
- 十分な睡眠をとる
- 栄養バランスを意識して食事をとる
- 周りの人に期待しすぎない
- ストレス源を確認する
- 思考を整理する
気分転換をする時間を確保する
気分転換をする時間をつくることで、ストレス耐性を高められることがあります。仕事や家事などで忙しい日々を過ごしている人は多いでしょう。このような人たちは常に気を張っている状態にあり、ストレスや疲れを感じ続けてしまう傾向があります。
緊張状態にある心を和らげるためには、気分転換をする時間を作ると良いでしょう。例えば、趣味の時間として、好きな音楽を聞いたり料理をしたりすることで気持ちが和らぐ場合が多いです。様々な気分転換方法を試し、自分が楽しいと思えることを探してみるのがおすすめです。
深呼吸をする
深呼吸をすることでも、ストレス耐性を高められると言われています。
ストレス耐性が低い人はストレスを感じたとき、浅い呼吸をしていることがあります。ストレスを感じていても深呼吸を意識的にすることで、冷静になり、思考を整理することができるでしょう。
その結果、気持ちが前向きになりストレス耐性が高まる場合があります。また、深呼吸を日常的に行うことで、自分の気持ちをコントロールしやすくなるでしょう。
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十分な睡眠をとる
しっかりとした睡眠をとることでも、ストレス耐性を高められる場合があります。
ストレスを感じているときには、コルチゾールという体を緊張状態にするホルモンが体内に分泌されています。睡眠には乱れた自律神経やホルモンのバランスを整える役割があり、睡眠が不足しているとホルモンバランスが調整されず、コルチゾールが過剰分泌されたままになり、ストレス耐性が低下する可能性があります。
そこで、満足に睡眠をとることで、コルチゾールの分泌が抑えられ、ストレス耐性を高めやすくなるでしょう。
周りの人に期待しすぎない
周りの人に期待しすぎないことでも、ストレス耐性を高められるでしょう。
周りの人への期待を抑えることで期待を裏切られることも減り、穏やかな気持ちを保てるため、ストレス耐性が高まると言われています。周囲の人に期待をしすぎていると感じる人は、試してみると良いでしょう。
ストレス源を確認する
ストレス源を確認することでも、ストレス耐性を高められる場合が多いです。自分が感じているストレスの原因をはっきりさせることで、何にストレスを感じるのか認識することができるでしょう。
その結果、自分がストレスを感じやすいものやストレスを感じたときの影響が分かり、対策を立てやすくなるため、ストレス耐性が高まると考えられています。また、ストレス源を確認することでストレスの原因を排除できる可能性もあります。
思考を整理する
ストレス耐性を高める方法として、思考を整理することが挙げられます。自分の考え方が原因で、ストレスを感じていることがあるため、視点を変えることでストレスを感じにくくなることがあります。
例えば、友人関係が上手くいっていないときに、思いつめるのではなく、合わない人がいるのは当たり前だと考え方を変えることで、気持ちが楽になるでしょう。ストレス源を完全に除去することは難しいですが、見方を変えることでストレスを抱えにくくなる場合が多いです。
ストレスに弱い人に関連するよくある質問
ストレス耐性とはどのような能力ですか?
ストレス耐性とは、ストレスに耐える能力のことです。日常生活をしていると、様々な場面でストレスを感じることがあるでしょう。ストレス耐性は、このストレスに対してどの程度対応し、耐えることができるかという度合いを意味しています。
ストレスに弱い人向けのおすすめの仕事はありますか?
ストレスに弱い人向けのおすすめの仕事は、主に以下の4つが挙げられます。
- 一人でこなすタイプの仕事
- 出社の必要がない仕事
- 厳しいノルマや目標がない仕事
- 突発的にタスクが発生しない仕事
これらの仕事は精神的な強さが必要でない場合が多いため、ストレスに弱い人はこのような特徴を持つ職種を探すと良いでしょう。
しかし、どのような仕事でも少なからず辛い面はあるため、注意が必要だと言えます。
ストレスに弱い人の多くは幼少期の環境によるものが大きい?
幼少期に過保護な環境で育ったり、いつも叱られて育った人はストレスに弱くなりやすいです。
ストレス耐性は幼少期に育まれる「非認知能力」に左右されると言われています。非認知能力とは、積極性や自分を肯定する力などの人間力のことです。非認知能力が高いと人間関係のトラブルを減らせたり、問題をポジティブに考えられるため、ストレスを感じにくくなるでしょう。
幼少期から成功と失敗を経験した人や、褒められて育った人は非認知能力が高い傾向があります。また、大人になってからも成功体験を積むことで、非認知能力を高めることができると言われていま
【監修者プロフィール】
江東こころのクリニック院長
谷本 幸多朗 医師
九州大学医学部卒業後、帯広第一病院にて救急医療や外科及び内科の研修を経験する。
2013年より久喜すずのき病院にて精神科急性期医療を後期研修し精神保健指定医となる。
2018年より江東区にて一般メンタルクリニックに加えて認知症デイケアを併設した物忘れ外来も行う精神科クリニックである江東こころのクリニックを開業し、現在に至る。
主な経験
- 精神保健指定医の経験あり
- 製薬会社主催の各講演会や地域の医療職対象の勉強会において講演や座長の経験多数あり