2024.09.09

ストレスで眠くなるのはなぜ?緊張やストレスで眠くなる主な理由や対策を紹介

ストレスで眠くなるのはなぜ?緊張やストレスで眠くなる主な理由や対策を紹介

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緊張やストレスで眠くなる?主な理由・原因

緊張やストレスによって、日中に眠気を感じることがあります。

緊張感やストレスは、入眠困難や早朝覚醒といった症状を引き起こし、夜間の眠りの質を低下させる恐れがあります。その結果、日中の眠気や身体のだるさにつながると考えられます。

人の体はストレスを受けた際に、コルチコトロピン放出ホルモンを視床下部から放出し、さらにコルチコトロピン放出ホルモンは、脳下垂体におけるコルチコトロピンの放出を促します。

その結果として、副腎皮質からストレスホルモンとも呼ばれるコルチゾールの分泌が促進されます。

コルチゾールは、一時的にストレスに適切な対処ができるように働くホルモンです。通常時は分泌が促進されたり抑制されたりと調整を受け、血中濃度のバランスを保っています。

しかし慢性的にストレスを受け続けることによって、コルチゾールの分泌量が増えすぎると、身体に様々な症状を起こしてしまうことがあります。その症状の一つが睡眠障害です。

コルチゾールは通常、目を覚ます2時間程度前から増加するホルモンであり、起床後の活動に備えて代謝や血圧、血糖値を高めています。

しかし長期的なストレスによりコルチゾールの分泌調節が上手くいかないと、体の準備が整わない状態で覚醒するようになり、結果的に睡眠のリズムや質が悪くなると考えられています。

眠気の原因になるストレスの主な種類

眠気の原因になるストレスの主な種類には、以下のものがあります。

  • 仕事中のストレス
  • 人間関係のストレス

仕事中のストレス

仕事中のストレスにより、日中の眠気が引き起こされるケースがあります。

仕事のストレスの具体例として、主に仕事量や失敗に対する不安、単調な仕事に対するやりがいのなさなどが挙げられます。

また、将来的なキャリアへの不安も、慢性的なストレスとなりやすく、眠気の原因となる場合があります。

仕事に対するストレスや不安は、日常的に向き合わなければならず、心身に蓄積していくことが考えられます。また、夜になっても心身の緊張状態が解けない日が続き、日中の眠気につながってしまうでしょう。

人間関係のストレス

眠気の原因として、人間関係によるストレスが当てはまる場合もあります。

人間関係によるストレスの具体例には、職場の人間関係や友人との関係性、家族との折り合いのつけ方などが挙げられます。

人間関係のストレスで眠気を感じる人は、相手からどう思われているか、気にしやすい傾向にあることが多いです。失敗を避けたり褒められようとしたりと、常に緊張状態を解けないため、心身にストレスを溜めやすいと言えます。

結果的に、夜間の睡眠の質も低下しやすく、日中の眠気を引き起こしてしまうでしょう。

緊張やストレスで眠くなる際の対策方法

緊張やストレスで眠くなる際の対策方法には、以下のものが挙げられます。

  • 仮眠を取る
  • 深呼吸する
  • 気分転換をする
  • 心のセルフケアをする
  • ツボを押す
  • 病院で相談する

仮眠を取る

緊張やストレスで眠くなる際の対策として、仮眠をとることがおすすめです。

運転中や仕事中などの場面で急な眠気に襲われると、事故やミスにつながり、日常生活に支障が出る恐れがあります。そういった事態を避けるためにも、仮眠をとることを心がけると良いでしょう。

仮眠をとる際は、5〜10分程度の時間が丁度良いと考えられています。車を安全性が高い場所に駐車したり、仕事中のデスクに顔を伏せたりして、空いた時間に少し休むようにしましょう。

注意点として、30分以上の仮眠は夜間の睡眠の質を低下させる可能性があります。仮眠による悪循環を生まないために、日中の睡眠は30分未満に留めるよう意識することが大切です。

深呼吸する

深呼吸をすることも、緊張やストレスで眠くなる際の対策方法の1つです。人は緊張やストレスを感じている時、知らない間に呼吸が浅くなっていることがあります。

深呼吸には自律神経の副交感神経を高める作用があると考えられており、ストレス解消やリラックス効果が見込めます。

深呼吸は仕事中や外出中でも行えるため、ストレスによる眠気を手軽に軽減する方法としておすすめです。

深呼吸をする際は、腹式呼吸を意識しながら、口で息を吐き切りましょう。そして鼻から大きく息を吸いこみます。このように腹式呼吸を意識した大きな深呼吸をすることによって、より心身がリラックスできると言われています。

日常的な眠気への対処方法として、深呼吸を習慣化してみると良いでしょう。



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気分転換をする

緊張やストレスで眠くなることを防ぐには、普段から気分転換を心がけると良いでしょう。

定期的に気持ちをリフレッシュすることで、眠気の原因となるストレスを溜め込みすぎないよう、予防することが可能です。

例えばストレスに関連する出来事が頭から離れない時は、意識的に人と話したり、外出をしたりすると良いでしょう。仕事の休憩時間にできるストレス軽減方法として、太陽光を浴びたり、姿勢を正したりすることもおすすめです。

心のセルフケアをする

心のセルフケアを行うことも、緊張やストレスで眠くなることへの対策につながります。

心のセルフケアとは、主に自分の考え方のクセや物事の捉え方などを知って、ストレスとの上手な付き合い方を見つけることを言います。

自分の思考のクセや物の見方を理解しておくと、目の前の出来事を柔軟に捉え直したり、不安を手放したりしやすくなります。心のセルフケアにより受けるストレスを軽減することで、結果的に睡眠の質を改善する効果が見込めます。

ツボを押す

緊張やストレスで眠くなる際には、ツボを押すことも1つの対策方法です。

ツボ押しには内臓の不調を整えて、自律神経の乱れを改善する効果があると考えられています。ツボを押して自律神経の働きを整えることで、寝つきの悪さや睡眠の質の低下といった症状を、緩和できる可能性があります。

自律神経を整えるためにおすすめのツボとして、手の甲にある「合谷(ごうこく)」や、頭頂部周辺にある「百会(ひゃくえ)」などが挙げられます。

ツボを刺激する際は、押して離す工程を、各3秒間ずつ繰り返すと良いでしょう。また、リラックスした状態で始めて、10セットほどを目安に行うことがおすすめです。

病院で相談する

緊張やストレスで眠くなる場合、病院に相談をすることも1つの手段です。ストレスを自力で取り除くことが難しい場合は、病院での相談が必要と考えられます。

またストレス以外の原因によって、眠気が引き起こされている可能性がある場合も、病院へ相談することが大切です。

例えば運転中や仕事中、食事中など、日常に支障が出るタイミングで寝入ってしまう場合は、病気が原因ということも考えられます。

過度な眠気には、ナルコレプシーや特発性過眠症、睡眠時無呼吸症候群といった病気が隠れているケースがあります。心当たりのある症状に合わせて、心療内科や内科、耳鼻科などの受診も選択肢に入れておくと良いでしょう。

緊張やストレスで眠くなることを予防する方法

緊張やストレスで眠くなることを予防する方法には、以下のようなものがあります。

  • 夜間に質の良い睡眠をとる
  • 食生活を見直す
  • 簡単な運動を取り入れる
  • リラックスできる時間を作る

夜間に質の良い睡眠をとる

緊張やストレスで眠くなることを予防するには、夜間の睡眠の質を高めることが大切です。

睡眠の質はストレスにより低下すると考えられています。そのため睡眠時間が足りていると思っても、心身の疲れは取れていない可能性があります。

眠りが浅かったり就寝時間が不規則だったりと思い当たることがある際は、睡眠の質を意識してみましょう。

質の良い睡眠をとる方法として、身の回りの睡眠環境を整えたり、就寝時間に向けて心身をリラックスさせたりすることが挙げられます。

環境面では、寝室の照明を常夜灯などの落ち着いた色にしたり、室温を適度に保ったりすると良いでしょう。また心身をリラックスさせる際は、湯舟に浸かる習慣をつけたり、アロマや音楽で気分を落ち着けたりすることがおすすめです。

食生活を見直す

食生活を見直すことによって、緊張やストレスで眠くなることを予防できる場合があります。

人の体はストレスを受けた時に、特定の栄養素を消耗すると言われています。中でもビタミンCやビタミンB群、ビタミンE、トリプトファンが体内に不足していると、ストレスの影響を受けやすくなる恐れがあります。

そのため食生活を見直して、栄養素を意識的に補給することは、大切なストレス対策と言えます。

例えばビタミンCやビタミンEが含まれる食材には、パプリカやカボチャなどの緑黄色野菜があります。トリプトファンでいうと、主に乳製品や大豆製品に多く含まれています。また、ビタミンB群を効率よく摂取するには、赤身肉や魚介、ナッツ、海藻などをバランスよく食べることがおすすめです。

簡単な運動を取り入れる

緊張やストレスで眠くなることを予防するには、簡単な運動を取り入れることも1つの方法です。運動をすることによって、身体に適度な疲労感を与え、夜間の眠りの質を改善する効果が見込めます。

また運動は交感神経の働きを高めたり、ストレス低減につながるセロトニンの分泌を促したりと、日中の気分を安定させる作用があるとも考えられています。

眠気対策におすすめの運動には、深い呼吸をしながらのストレッチや、自宅で手軽にできる筋トレなどがあります。またサイクリングやジョギングなどの有酸素運動を、30分程度の適度な時間で行うこともおすすめです。

眠りの質を向上するための注意点として、運動は眠りに就く1~3時間程前までに済ませましょう。一般的には、眠りに就く3時間前が丁度良いとされています。3時間程前に運動をして体温を上昇させ、入眠に合わせて体温を下げることで、質の高い睡眠を促すことができます。

リラックスできる時間を作る

リラックスできる時間を作ることも、緊張やストレスで眠くなることを予防する1つの方法です。

眠気を引き起こすストレスの背景には、仕事や人間関係などにおける悩みや不安があると考えられます。そういった悩みや不安から一度離れて、自分の時間をリラックスして過ごすことは、質の良い睡眠を得るために大切です。

具体的には、週に2~3回程度はゆっくりと湯舟に浸かったり、ヒーリング音楽を聴くことなどがおすすめです。

また10分程度の軽い読書にも、緊張を緩和させる効果があると言われています。自分に合ったリラックス方法を見つけて、入眠時などの落ち着いた環境で試してみましょう。

ストレスで眠くなることに関するよくある質問

仕事中に眠くなるのはストレスのせいですか?

仕事中に眠くなる理由の一つに、ストレスの影響があります。ストレスを受けると、コルチゾールと呼ばれるホルモンの分泌が促され、夜間の眠りが浅くなると言われています。

その結果、満足な睡眠を得られず、日中の仕事中に眠くなってしまうと考えられます。他にもさまざまな理由が考えられるため、この記事で紹介した対策方法で改善がない場合は、医療機関などで相談すると良いでしょう。

嫌なことがあると眠くなるのは病気のせいですか?

嫌なことがあると眠くなるのは、病気のせいである可能性があります。嫌なことがあると眠くなる場合に考えられる病気として、不眠症やナルコレプシー、睡眠時無呼吸症候群、正常解離などが挙げられます。

仕事中や運転中、食事の最中などに眠ってしまい、日常生活に支障をきたしている際は、早めに病院に相談したほうが良いでしょう。

鬱病になると眠くなるのはなぜですか?

鬱病になると眠くなる理由として、夜間における睡眠の質の低下や、防衛本能の働きによる影響などが考えられます。

鬱病にかかると、早朝や夜中に目が覚めてしまい、満足な睡眠を得られないケースが多くなります。そのため、日中も眠気を感じることが増えるという仕組みです。

また鬱病の人が過度なストレスに直面すると、心身を守るために、無意識に眠気を引き起こしている場合があると言われています。

ストレスで睡眠時間が長くなるのはなぜですか?

ストレスで睡眠時間が長くなる理由として、主に自律神経の乱れによるものだと考えられています。交感神経と副交感神経のバランスが乱れると、過眠の症状が現れやすいと言われています。

また長時間の睡眠を続けているにも関わらず、日中の活動に支障が出るほどの眠気を感じる場合、過眠症や鬱病などの病気が隠れている可能性もあります。


【監修者プロフィール】

江東こころのクリニック院長 

谷本 幸多朗医師

九州大学医学部卒業後、帯広第一病院にて救急医療や外科及び内科の研修を経験する。

2013年より久喜すずのき病院にて精神科急性期医療を後期研修し精神保健指定医となる。

2018年より江東区にて一般メンタルクリニックに加えて認知症デイケアを併設した物忘れ外来も行う精神科クリニックである江東こころのクリニックを開業し、現在に至る。

▼主な経験

・精神保健指定医の経験あり

・製薬会社主催の各講演会や地域の医療職対象の勉強会において講演や座長の経験多数あり

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