目次
不安を感じやすい人の特徴
不安を感じやすい人の特徴には、主に以下のようなものがあります。
- 真面目な人
- 怖がりな人
- 自分に自信を持てない人
真面目な人
不安を感じやすい人の特徴の一つとして挙げられるのが、真面目な人であることです。真面目な人は、理想を高く設定し、それを達成するために物事を過度に考え込む傾向があります。
例えば、理想を達成するために品質にこだわろうとしますが、必要以上にミスや欠陥がないか気になり、不安を感じやすくなる場合があります。
怖がりな人
怖がりであることも、不安を感じやすい人に多く見られる特徴です。怖がりな人の脳内では、扁桃体と呼ばれる部位が活発に働き、恐怖などの負の感情が誘発されていると考えられています。
そのため怖がりな人は、周囲の人の視線や出来事にネガティブに反応してしまう傾向にあります。また、色々な場面で不快感や危機感といった感情が発生しやすく、不安を感じやすいと言えます。
自分に自信を持てない人
自分に自信を持てないことも、不安を感じやすい人の特徴として挙げられます。自分に自信が持てない人はネガティブな思考をすることが習慣になっている場合が多く、さまざまなことを悪い方向に考えがちと言えます。
例えば、周囲の人から悪い評価をされているか気になったり、将来を不安視したりすることが多くあります。こうした理由から気分が落ち込みやすく、結果的に不安を感じる場面が増えやすくなる傾向があります
不安を感じやすい原因
不安を感じる原因は、多くの場合において、内部要因と外部要因に分けて考えることが可能です。
内部要因は、自分の性格や思考など、自身に由来する要素によって生じる原因とされています。一方で外部要因とは、社会的な立場や周囲の環境など、外部の要素によって生じる原因と言えます。
不安を感じやすい原因の中で、内的要因にあたるものとして、自分を責めやすい気質や、物事を否定的に捉えやすい性質であることが考えられるでしょう。
また、外的な原因としては、仕事における人間関係の悪さや過去のトラウマといった、自身を取り巻く環境に影響を受けている場合があります。
内部要因と外部要因に分けて考えることで、何が原因で不安を感じているかが分かりやすくなるでしょう。
また、不安を感じる原因が分かれば、効果的な対処法の思案や実施がしやすくなります。例えば、不安を感じる原因が職場における人間関係だった場合、異動や転職によってその環境から離れることが効果的な対処法だと考えることができます。。
もしくは不安を感じる原因が、自分の性格や思考のクセによるものだと推測できる場合、自身の性格を見直してみたり、思考を客観的に整理したりすることが効果的な可能性があります。
不安を感じたときの対処方法
不安を感じたときの主な対処法として、以下のものが挙げられます。
- 軽い運動をする
- 深呼吸をする
- 相談できる人に相談する
- 瞑想をする
- スマホを見ない時間を作る
- 音楽や匂いを楽しむ
- 専門家に相談する
軽い運動をする
軽い運動をすることは、不安を感じたときに有効だと考えられている対処法の一つと言えます。運動をすると、脳内でドーパミンやエンドルフィン、セロトニン、ノルアドレナリンといった物質が増える場合があります。
これらの物質は、気分を高揚させたり、幸せな気分にさせたりする効果が期待でき、不安感を抑えるために役立つと言われています。代表的な軽い運動として挙げられるのは、以下の通りです。
- ウォーキング
- ラジオ体操
- ヨガ
- 筋力トレーニング
- ランニング
ただし、人によって適切な運動の種類や強度が異なるため、不適切な運動を行ってしまうと逆効果を招く可能性もあります。
深呼吸をする
深呼吸をすることで、不安を軽減する効果が期待できます。
不安を感じているときは、交感神経系が活発に働きやすく、呼吸が浅くなりがちです。そのため、深呼吸をして、速くなった呼吸を落ち着かせることが大切だと考えられます。
また、深呼吸で呼吸を安定させることで、副交感神経を優位に働かせられる可能性もあります。結果的に、リラックスや不安の軽減に繋がると言われています。
リラックス時におすすめと言われている呼吸法として、腹式呼吸が挙げられます。腹式呼吸をする際は、以下のポイントを意識して行うと良いでしょう。
- 3秒程度かけて鼻から息を吸う
- 腹部を膨らませることを意識する
- 1秒程度息を止める
- 5~10秒程度かけて息を吐く
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相談できる人に相談する
自身が抱える不安について誰かに相談することは、不安を感じたときの対処法として有効であると考えられます。
不安の内容や懸念点などを誰かに話す行為は、その人の精神的な負担を軽減する効果が期待できます。また、不安を言葉にすることで、自身の考え方や精神状態を見つめ直すきっかけになることもあるため、おすすめの方法と言えるでしょう。
瞑想をする
瞑想は、不安への対処法として効果が期待されることがあります。瞑想とは日々の雑念から離れて思考を休め、精神的に安定した状態を目指すものだと考えられています。自分の考え方を客観的に見直し、心を落ち着かせる方法として用いられる場合が多いです。
また、瞑想によって、脳内のノルアドレナリンやコルチゾールといった神経伝達物質を整えられる可能性があります。これらの物質は、不安や恐怖などの感情と結び付きのある脳内ストレスホルモンと言われています。
ノルアドレナリンやコルチゾールの働きを整えることによって、不安感を抑える効果が期待できるでしょう。瞑想を実施する際は、以下のポイントを意識するようにしましょう。
- 呼吸に集中する
- 楽な姿勢を取る
- 集中が切れても焦らない
- 最初は短時間で実施する
- 集中できる環境で実施する
なお、パニック障害や不安障害、PTSDといった精神疾患を持つ人は、瞑想中にトラウマの再体験や思考の混乱が生じる可能性があります。そういった懸念のある人は、医療機関や専門家の指導を受けながら瞑想を始めると良いでしょう。
スマホを見ない時間を作る
スマホを見ない時間を作ることで、不安に対処しやすくなる可能性があります。
スマホからは、ソーシャルメディア上の新しい話題や画面から発せられる光など、さまざまな情報を受け取れます。
しかし、情報が多すぎると脳に負担がかかってストレスが発生し、不安を感じやすくなる傾向があります。また次々と更新される情報や他人の言動に、一喜一憂してしまうケースもあります。
心の状態が不安定にならないためにも、適度な距離を保ちながらスマホを使うことが大切と言えるでしょう。
音楽や匂いを楽しむ
音楽や匂いを楽しむ行為には、不安を軽減する効果が期待できます。例えば音楽を聴くと、ドーパミンやオキシトシン、セロトニン、エンドルフィンなどが脳内に生じる場合があります。
これらのホルモンは幸福物質とも呼ばれ、精神を落ち着かせる効果があるとされています。そのため、不安を軽減できる見込みがあると言えます。。
また、嗅覚からの情報は、大脳辺縁系と呼ばれる感情を司る脳の器官に、視床を介さず直接的に伝わると言われています。
そのため、自分が好きな匂いを嗅ぐと、精神的に安定して不安を落ち着かせる効果が期待できるでしょう。さらに、良い匂いを嗅ぐと、呼吸のペースが遅くなるかつ深くなるため、不安が和らぐことがあります。
専門家に相談する
不安を感じたときは、専門家に相談することも対処方法の一つです。過剰な不安は、日常の出来事や仕事上の活動など、さまざまなシーンで悪影響を及ぼしかねません。
また、生活に支障をきたすほどの不安がある場合、不安障害などの精神疾患を発症している可能性も考えられます。
例えば、些細な出来事にも恐怖や不安感を感じてしまったり、動悸や吐き気、不眠などの身体的症状が出てしまったりするケースが、日常生活に影響を及ぼしている不安の一例です。
自分自身で対処法がわからない際には、専門家による適切な対応や治療を受けることが大切であると言えるでしょう。
過度な不安を放置するリスク
過度な不安を放置すると、不安障害を発症してしまう可能性があります。不安障害は精神疾患の一種です。不安障害には、強迫性障害や社会不安障害、パニック障害、全般性不安障害などさまざまな種類があります。
不安を感じること自体は自然であり、怪我などのリスクを回避するのに役立つことが多くあります。しかし、過度な不安にさらされすぎると、学校や職場をはじめとした社会での生活に影響を及ぼすことも少なくありません。
深刻な状態が続くと不安障害を発症してしまい、医療機関による治療が必要になる可能性もあるため注意しましょう。
また、不安障害の人は日常的に緊張感が解けず、落ち着いたり気を抜いたりすることが難しい傾向にあります。身体的な症状としては、頭痛や頭の圧迫感があったり、めまいやしびれを感じたりする場合が多いです。
不安を感じやすい人に関連するよくある質問
なぜ人は不安を感じるのですか?
人が不安を感じる原因には、主に扁桃体が関連していると言われています。扁桃体は、自身の安全が脅かされそうになった際、瞬時に反応するとされている脳の部位です。
また、扁桃体が危険を察知すると、同じく脳の視床下部と呼ばれる部位からストレスホルモンが生じると考えられています。
このように、人間はストレスを感じる場面に遭遇すると、自身を守るために逃げるか、対応する準備をするとされています。その際に心理的な変化として、不安という感情が生じる場合が多いと言えます。
不安障害になりやすい人の特徴は?
不安障害になりやすい人には、主に神経質、繊細、理想主義、内向的といった性格面の特徴が見受けられます。このような気質を持つ人は、トラブルやミスに対して過度な不安を感じてしまうことが多いです。
また、不安感によっては、トラブルやミスを適切に解決できなくなるケースもあります。その結果、不安障害へとつながる場合が多いです。
どのようなときに不安になりやすいですか?
不安になりやすい状況は、多岐に渡ると考えられます。なかでも代表的なのは、環境の変化があった時や不確実な状況に置かれた時などです。
環境が変化すると、人間関係や自身の立場が新しくなることも少なくありません。その結果、上手く馴染めるかどうか分からず、不安な気分になる可能性があります。
また、不確実な状況では、何が起こるか分からないというストレスが生じやすいため、不安を感じやすくなるとされています。
【監修者プロフィール】
江東こころのクリニック院長
谷本 幸多朗医師
九州大学医学部卒業後、帯広第一病院にて救急医療や外科及び内科の研修を経験する。
2013年より久喜すずのき病院にて精神科急性期医療を後期研修し精神保健指定医となる。
2018年より江東区にて一般メンタルクリニックに加えて認知症デイケアを併設した物忘れ外来も行う精神科クリニックである江東こころのクリニックを開業し、現在に至る。
▼主な経験
・精神保健指定医の経験あり
・製薬会社主催の各講演会や地域の医療職対象の勉強会において講演や座長の経験多数あり