目次
ストレスとは
ストレスとは、周囲から刺激を受けた際に、心や体に生じる変化のことを指すと言われています。
一般的にストレスは、「ストレス反応」と「ストレッサー」に分けて考えられる場合が多いです。
「ストレス反応」とは、主に周囲からの刺激を受けた際に、心身や振る舞いに現れる反応を指すとされています。「ストレッサー」とはストレス反応の元となる、周囲からの刺激を指すことが多いです。
またストレスは、人間にとってポジティブな効果をもたらす場合と、ネガティブな効果をもたらす場合に分けられることも多いです。
適度なストレスは、ポジティブな効果をもたらすと言われています。例えば、適度にストレスを受けると注意深くなり、仕事や作業をする際に程良い緊張感が生まれることがあります。
一方で、ストレスに対して適切に処置できなかったり、過度なストレスを受けたりすると、心身や振る舞いに悪影響をもたらす場合も少なくないです。
手軽にすぐできるストレス解消法12選
手軽にすぐできるストレス解消法には以下のようなものがあります。
- 甘いものを食べる
- 好きな食べ物を食べる
- 人と話して笑う
- ストレス解消グッズを使う
- 手足のツボを押す
- 軽く身体を動かす
- 紙に気持ちを書き出してみる
- 仮眠をとる
- 音楽や匂いを楽しむ
- 大きな声を出する
- 動画を見る
甘いものを食べる
手軽にすぐできるストレス解消法の1つとして、甘いものを食べることが挙げられます。甘いものを摂取すると、脳の快楽を感じる部分が刺激されると考えられています。
脳内で快楽を感じる部分が刺激されると、エンドルフィンという物質の生成が促進されやすいです。エンドルフィンは痛みや焦燥感、気分の落ち込みなどを抑制すると考えられており、ストレス軽減にも効果を発揮する可能性があります。
また、甘いものに含まれるブドウ糖によって、ストレス緩和を見込める場合も多いです。ブドウ糖は主に、トリプトファンという物質を脳に届ける役割があるとされています。
このトリプトファンは、心身のリラックスに作用するセロトニンという物質の原料になると言われています。
このように、ブドウ糖がトリプトファンを活発に脳に送り、セロトニンが分泌されやすくなることにより、早い段階でのストレス解消が見込めるでしょう。
好きな食べ物を食べる
好きな食べ物を食べることも、すぐに試せるストレス解消方法の1つと言えます。
一般的に好物を食事に取り入れることによって、通常よりも楽しんで食事ができることが多いです。
また、食事をすることでセロトニンの材料であるトリプトファンや、ブドウ糖などの栄養を得られる場合があります。
そのため、好きな食べ物を取り入れて食事をすることによって、ストレスの発散の効果が期待できます。
人と話して笑う
人と話して笑うことも、手軽に効果を感じられる可能性のあるストレス解消法です。
ストレスの原因である緊張や不満を人に話すことは、自身の状況を冷静に客観視したり、対処法を考えたりすることに役立つ場合があります。
また、他者の目線から多角的にアドバイスをもらうことによって、ストレスへの効果的な対処法が見つかる見込みも大きいです。
加えて笑うことには、副交感神経の働きを促進する作用やセロトニンの分泌を促進する作用もあると言われています。
こういった脳内の変化により、心がリラックスしやすい状態となり、ストレス軽減の効果を実感できる場合が多いです。
ストレス解消グッズを使う
いつでもできるストレス解消法を探している場合は、市販のグッズを使うこともおすすめだと考えられます。
ストレス解消グッズには、場所を取らずに持ち運べるものから自宅にいながら楽しめるものまで、思い立った時に取り入れやすい商品が幅広く用意されている場合が多いです。
そのためストレス解消グッズは、周囲の環境に左右されにくく、気軽に取り入れやすい方法であると言えます。
寝る前にアロマキャンドルやマッサージグッズを使用したり、仕事の合間には握るタイプのグッズを取り入れたりしてみると良いでしょう。
手足のツボを押す
その場でストレスを解消したいと感じた際には、手足のツボを押すことも効果が見込まれている方法の1つです。
ツボは一般的に、体内を流れるとされているエネルギーを巡らせる役割を持ち、体調を整える作用があるとされています。また、ツボの種類の中には、自律神経の働きを整えられる可能性がある部位が存在すると考えられています。
このツボ押しは、体調不良や自律神経の乱れからくるストレスを和らげたい時に手軽に試せるため、ストレス解消法の1つとして覚えておくと良いでしょう。
自律神経に効くツボとして例えば、手の「内関」や「老宮」、足の「湧泉」などが紹介されることが多いです。
軽く身体を動かす
軽く身体を動かすことも、効果を感じやすいストレス解消法として期待できるものの1つです。
有酸素運動のような軽い運動をすると、副交感神経が活発になると考えられています。そのため、有酸素運動を取り入れることで心身のリラックス効果を感じられる場合が多いです。
また、軽い運動をするとセロトニンの分泌も促進されると言われています。セロトニンが増加すると、メンタルが安定しやすくなると考えられており、ストレス低減の効果を感じられる可能性が高いです。
軽い運動の具体例としては、主に以下のものが挙げられます。
- ウォーキング
- ランニング
- 水泳 など
紙に気持ちを書き出してみる
紙に気持ちを書き出してみることで、短時間でストレスを解消できる可能性があります。
紙に気持ちを書き出すことは、自分の気持ちを紙にアウトプットする行為であると言えます。そのため、ストレスを感じた出来事や原因などに関する本音を、周囲の人に聞いてもらっている時と似たような心理状態になると考えられています。
また、紙にストレスを書き出すことで、自分の状態を客観視するきっかけになることも期待できます。
ストレスをその場で解消したい場合は、スマホや小さなメモ帳など、日ごろから持ち歩いているものを使って言語化してみると良いでしょう。
仮眠をとる
早くストレスを解消したい場合、仮眠を取ることも1つの手段であると言えます。
ストレスを感じている場合、脳が疲労しており、些細なことで苛立ってしまう場合が多いです。
その点仮眠には、脳を休める効果があると考えられています。仮眠を取って脳を回復させることで、ストレスの緩和が期待できます。
また仮眠を取る時間の確保が難しい場合は、数十秒から数分程度目を閉じることでも、一定の回復効果が得られると言われています。
音楽や匂いを楽しむ
音楽や匂いを楽しむことにより、早めの段階でストレス解消の効果を感じられる場合もあります。
音楽や匂いの中には、自律神経の働きに良い影響を及ぼすものがあると考えられています。そのため自律神経の調整に良いとされる音楽や匂いを楽しむことで、心身に安定をもたらし、ストレス解消の効果を得られる可能性が高いです。
その上、音楽や香りの種類によっては、セロトニンなどの分泌が促されるものもあると考えられています。
一般的にストレス解消に良いとされる音楽には、ヒーリングミュージックなどがあります。また、自律神経の働きを整える可能性がある匂いの代表例として、アロマなどが紹介されることが多いです。
大きな声を出す
大きな声を出すことも、比較的短期間でストレス解消を実感しやすい方法の1つとして挙げられます。
一般的に声を出す際、身体の中では横隔膜が動いていると考えられています。この横隔膜には、自律神経が多く存在していると言われています。
そのため大声により横隔膜を刺激することで、自律神経を整えられる見込みが高いです。
このように、大きな声を出すことで自律神経の釣り合いを取り戻せると、心の整理がしやすい状態となり、ストレス解消に繋がる可能性があるでしょう。
動画を見る
動画を見ることで、簡単にストレスを解消できる場合もあります。
一般的に好きな動画をみると、ストレスに感じていることから意識をそらせることが多いです。
また、趣味や興味に関する情報を動画から得ることで、愛情ホルモンとも言われるオキシトシンが分泌されやすくなると考えられています。このオキシトシンによって、焦燥感や不安感といった感情が軽減することで、ストレス解消や気分転換につなげられると言えます。
ただし、動画を見過ぎてしまうと疲労の元となる可能性が高く、逆効果になる場合があるため注意が必要です。
ストレス解消には深呼吸の習慣化もおすすめ
深呼吸を習慣化することも、手軽に取り入れやすく、おすすめなストレス解消法の1つです。
ストレスを受けた際、人の体の中では、交感神経の働きが盛んになると考えられています。交感神経の働きが過度に強まった状態が続くと、副交感神経との均衡が崩れ、気付かないうちに速く浅い呼吸になっている場合が多いです。
そのような時には、意識的に深呼吸を取り入れて、副交感神経の働きを促すことが大切だと考えられます。副交感神経の活動を促し、自律神経のバランスを取り戻すことで、不安や緊張からくるストレスを軽減できる可能性が高いです。
また、深呼吸を習慣化する際には、腹式呼吸を意識することがおすすめだと言われています。例えば、座った体勢で体の力を抜き、息を吸いながらお腹を膨らませたり、吐く時にへこませたりすると、心身の強張りを和らげられるでしょう。
深呼吸習慣化デバイス「ston s」
- 「ston s」は、エナジードリンクでも、電子タバコでもない深呼吸を習慣化することを目的としたデバイス
- 罪悪感0で瞬間リフレッシュが可能
- 充電の必要がなく、どこでも持ち運びできる
ストレスを感じてしまう要因
ストレスを感じてしまう原因としては、以下のようなものが多いと言われています。
- 職場の人間関係
- 仕事の責任の大きさ
- 仕事の量や勤務時間
- 仕事の役職の変化
- 家庭の人間関係や友人関係
- 育児や子供の将来への責任
- 災害や傷病などによる心境の変化
- 転居などによる周辺環境の変化
- 結婚や妊娠などのライフステージの変化
- 金銭的な問題
職場の人間関係や仕事の内容などが、ストレスの要因となっている場合も少なくないです。また、労働時間が長すぎることがストレスに感じている人も多いと考えられます。
加えてプライベートでも、人間関係などが原因となっている場合は多いと言われています。その他にも引っ越しや育児など、環境の変化もストレスの原因となることが多いです。
ストレスによる心身への悪影響
ストレスによる心身への悪影響には以下のものが挙げられます。
- 体への影響
- 心への影響
- 行動への影響
体への影響
ストレスによる体への悪影響として、以下のものが推測されます。
- 身体の痛み
- 倦怠感や息苦しさ
- 消化器系の問題
- 心拍数の上昇や高血圧
- ストレスと関連した病気の発生
ストレスによる身体の影響として、頭痛や関節の痛み、腰痛などの身体の痛みが出ることがあります。また、下痢や便秘、食欲不振などの消化器系の問題が出ることも少なくないです。
それに加えて、心拍数の上昇や高血圧が、ストレスによる身体への影響として現れることも見受けられます。
場合によっては、ストレスにより免疫機能などに影響が出てしまい、感染症にかかったり体調を崩してしまったりすることが考えられます。
心への影響
ストレスによる心への悪影響として、以下のものがあるとされています。
- 抑うつ
- 苛立ちや不安
- 意欲の低下
- 不眠や過眠
ストレスに対して適切に対処できなかった場合、不安や苛立ちを覚える場合があります。また、物事に対する意欲が薄れたり、気分が下がり続ける抑うつの状態などに陥ったりする場合も多いです。
その他にもストレスが自律神経が影響に影響を及ぼす可能性もあり、不眠や過眠の症状が現れるケースも見受けられます。
行動への影響
ストレスによる行動への影響として、以下のものが挙げられます。
- 失敗やミスの増加
- 生活習慣の悪化
- 交友関係の希薄化
- 自分を傷つける行為
ストレスにより注意力が弱まることで、ミスや失敗が増えることがあります。またストレスにより飲酒量が増加したり食欲不振になったりと、生活習慣が悪化しやすいです。
加えて、ストレスを強く感じてしまうと、自分を傷つけたり、人との関わりを避けるようになったりする人もいると考えられています。
即効性は見込めるがおすすめできないストレス解消法
その場しのぎになりやすく、おすすめできないストレス解消法には以下のものが考えられます。
- やけ食い
- 寝だめ
- 過度な飲酒
やけ食い
ストレス解消のために食べ過ぎてしまったり、やけ食いをしたりすることは、一般的にストレス解消法としてはおすすめできません。
やけ食いをすることで、以下のデメリットが生じる可能性があります。
- 体重の増加
- 血糖値の上昇と減少
- ホルモンバランスや自律神経の乱れ
やけ食いにより体重が増加する場合があり、余計にストレスを感じてしまう人は多いです。また、糖質を含む食事を大量にとると、血糖値が激しく上下し、注意力の低下や体のだるさ、苛立ちを感じやすくなる可能性があります。
加えて、やけ食いにより生活習慣が乱れた場合、ホルモンバランスや自律神経が乱れることがあります。
ホルモンバランスや自律神経が乱れると、ストレスに反応しやすくなってしまうと考えられるため注意が必要です。
寝だめ
寝だめをすることも、おすすめできないストレス解消法の1つです。
一般的に睡眠時には副交感神経が優位になると考えられています。そのため寝だめをすると、副交感神経が優位になっている時間が長くなり、交感神経とのバランスが乱れて、だるさや眠さを感じるようになる場合が多いです。
また寝る時間が長い場合、生活リズムが乱れやすいです。生活リズムが乱れた結果、規則正しい時間帯に眠れない状態が続いて、逆効果になってしまう場合もあります。
さらに長い時間寝続けることで、腰や肩など身体の特定の場所に、負担がかかりやすくなることも想定されます。特定の場所に負担をかけ続けることで血行が滞り、身体の老廃物が流れにくくなってしまうとする見解も少なくないです。
このように老廃物が流れずに留まった結果、疲労を感じやすくなってしまうケースも考えられます。
過度な飲酒
ストレス解消のために過度に飲酒をしてしまうことも、基本的にはおすすめできません。
ストレスを感じる度に飲酒を続けていると、徐々にアルコールの摂取量が増えていく傾向のある人が多いです。このアルコールの摂取量が増えると、依存症となってしまう場合もあります。
また、飲酒をすると睡眠が浅くなりやすいと考えられています。睡眠が浅くなった結果として、心身の疲れが満足に取り切れず、更にストレスを溜めてしまうケースも少なくないです。
即効性があるストレス解消法に関連するよくある質問
ストレスの解消に良い方法は?
軽い運動や適切な睡眠、食事などを心掛け、ストレスを溜めすぎず定期的に解消していくことがおすすめです。
ストレスを溜めすぎずに定期的に解消することで、ストレスが悪化したり、病気になったりすることを防げる可能性があります。
また、ストレスが解消されず心身の健康が保たれていないと感じる場合は、病院で診察を受けることも1つの手段です。
ストレスを感じやすい人の特徴はありますか?
ストレスを感じやすい人には以下の特徴があると考えられています。
- 完璧主義な人
- 責任感が強い人
- 周囲の目を気にする人
- 自信がない人
完璧主義な人は、細かい部分にもこだわる傾向があるため、注意深くなりすぎてストレスを感じてしまう可能性が高いです。
また責任感が強い人は、体調が優れないときや、自分の時間が必要な時にも頑張ってしまう傾向があるため、ストレスを感じやすいと言えます。
自信がない人も、あらゆる物事に対してネガティブな結果を想像してしまうため、ストレスを感じることが多いです。
さらに、周囲の目を気にする人に関しても、周囲への迷惑や周囲からの評価に必要以上に敏感になってしまうことが多いため、ストレスを感じやすいと言えます。
ストレスを感じる場面にはどのようなものがありますか?
ストレスを感じる場面には、以下の悩みを抱えているときが多いと言われています。
- 人間関係の悩み
- 金銭の悩み
- 仕事の悩み
- 介護や病気の悩み
例えば仕事や職場において、対人関係や労働時間、収入に関してストレスを感じやすい人が多いとされています。
他にも、介護などで将来に対する心配事が生じたり、家庭内での仲違いが起きたりする場面でも、ストレスを感じやすくなる可能性が高いです。
ストレスが限界まで達した時に出る症状は?
ストレスが限界まで達した際、精神面には以下の症状が現れる場合があります。
- 気持ちの落ち込み
- 好きなことや楽しいことに意欲がわかない
- 些細なことで苛立つ
- ネガティブな考えに陥る
- 注意力が低下する
また、身体には下記のような症状が表れる可能性があります。
- 意味もなく涙が出る
- 身体に痛みが出る
- 下痢や便秘になる
- 睡眠不足や寝すぎになる
- 疲れやだるさが取れない
過剰にストレスを抱えてしまうと、気持ちが落ち込みやすくなったり、ふとした時に涙が出たりするなど、様々な症状があらわれる場合も少なくないです。
またストレスが限界のサインがあらわれていると感じた場合は、病院での受診も視野に入れると良いと言われています。
【監修者プロフィール】
江東こころのクリニック院長
谷本 幸多朗医師
九州大学医学部卒業後、帯広第一病院にて救急医療や外科及び内科の研修を経験する。
2013年より久喜すずのき病院にて精神科急性期医療を後期研修し精神保健指定医となる。
2018年より江東区にて一般メンタルクリニックに加えて認知症デイケアを併設した物忘れ外来も行う精神科クリニックである江東こころのクリニックを開業し、現在に至る。
▼主な経験
・精神保健指定医の経験あり
・製薬会社主催の各講演会や地域の医療職対象の勉強会において講演や座長の経験多数あり