目次
ストレスとは?
ストレスとは、外部からの要因によって体が緊張し、身体や気持ちのバランス異常をきたすような反応を指します。
ここではストレスに関して、以下の2点を解説していきます。
- ストレスの原因
- ストレスに起因する心身への悪影響
ストレスの原因
ストレスの原因は、日常に起こる身の回りの変化や外部からの刺激に起因していると言われています。主に、ストレスの原因は以下に大きく4つに分けられる場合が多いです。
- 身体的要因(不十分な睡眠や病気など)
- 環境的要因(大きな雑音や天気など)
- 社会的要因(仕事や人間関係など)
- 心理的要因(心配や面倒事など)
ストレスに起因する心身への悪影響
ストレスを抱え続けると、心身に悪影響が出ることが分かっています。
具体的に、ストレスによる心身への悪影響は心理面、行動面、身体面の3つに大きく分けられます。
(1)心理面の反応
情緒的反応として、不安、イライラ、恐怖、落ち込み、緊張、怒り、罪悪感、感情鈍麻、孤独感、疎外感、無気力などの感情が現れる。
心理的機能の変化として、集中困難、思考力低下、短期記憶喪失、判断・決断力低下などの障害が現れる。(2)行動面の反応
心理面の反応は、行動面の変化としても現れる。
怒りの爆発、けんかなどの攻撃的行動、過激な行動、泣く、引きこもり、孤立、拒食・過食、幼児返り、チック、吃音、ストレス場面からの回避行動などが現れる。(3)身体面の反応
動悸、異常な発熱、頭痛、腹痛、疲労感、食欲の減退、嘔吐、下痢、のぼせ、めまい、しびれ、睡眠障害、悪寒による震えなど、全身にわたる症状が現れる。
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/clarinet/002/003/010/003.htm
引用:文部科学省
これらの症状を確認することで、自分がストレスを抱えていると認識できる可能性があります。
【ストレス発散方法がわからない方向け】おすすめの方法11選
ここからは、おすすめのストレス発散方法として、以下11個の方法を紹介していきます。
睡眠や休息の時間をとる
睡眠や休息の時間をとることはストレスを発散する上で大切です。
睡眠には体や脳の疲れをとり、心身の健康を保つ大切な役割があります。
睡眠が不足してしまうと、交感神経と副交感神経のバランスや、体内のホルモンバランスが崩れてしまうことがあります。このバランスが崩れると心身に悪影響が出ることがあるでしょう。
また、睡眠や休息が不足していると、さらにストレスを抱えるという悪いループになる可能性があります。疲れを感じたら、早めに眠りにつくように努めましょう。
注意点として、デイタイムでの30分以上の睡眠は夜間の睡眠を浅くする可能性があるため、リズムも意識することが大切です。
また、睡眠の質と生活習慣病や認知症との関係性は医学的にも因果関係が解明されつつあります。
深呼吸をして呼吸を整える
ストレス解消するためのより簡単な方法として、深呼吸をして呼吸を整えることも挙げられます。緊張感が高まったり、心配事があると浅い呼吸をしていることがあります。
気が付いたときに深呼吸をして呼吸を整えましょう。そうすることで、副交感神経が優位となり落ち着きやすくなります。
現代は、気付かぬうちに呼吸が浅くなっている人が増えているため、深呼吸の習慣化を意識するとよいでしょう。
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湯船につかり入浴する
ストレスを発散したいとき、湯船につかり入浴することで効果がある場合があります。
湯船につかり入浴することによって、副交感神経を優位な状態にしやすくなります。
また、副交感神経が交感神経よりも優位になることでリラックスすることができ、心身ともに疲れをとりやすくなるでしょう。
おすすめの方法として、お風呂の温度は40℃以下のぬるめに設定し、10〜20分程度湯船につかることでリラックスしやすいです。
ただし、高血圧や不整脈などを含む持病がある方は、入浴の仕方を事前に主治医に確認することが大切です。
大きな声を出す
大きな声を出すことも、ストレス解消につながりやすいです。
大きな声を出す時、自律神経が多くある横隔膜が動くことで、自律神経が刺激され自律神経のバランスが整います。
声を出す前と比較して副交感神経が優位になることで、落ち着ける可能性があるでしょう。
好きな食べ物を食べる
ストレス発散したい際は、好きな食べ物を食べる事も良いでしょう。
好きな食べ物を食べることで食事が楽しくなり、ストレス発散に効果があるとされています。
また、タンパク質に含まれる必須アミノ酸の「トリプトファン」という栄養素は幸せホルモンを作る原料になるため、リラックスに繋がりやすくなります。
しかし、好物の食べ過ぎによる食生活の乱れは逆効果になってしまうため注意が必要です。
五感を使って楽しむことをする
意識して五感を使うことで、リフレッシュできストレス軽減に繋がりやすくなります。
五感とは視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚の5つの感覚です。
自分の好きな方法で五感を満たすことで気分が上がり、リフレッシュすることができます。
例えば、好きな動画や音楽を楽しんだり、旬の食べ物を食べたり、香水をつけたり、マッサージをしてもらう時間を作ることで生活のストレスを軽減出来ることがあります。
趣味の時間をとる
趣味の時間をとることで、ストレス発散に繋がる可能性があります。
趣味に熱中し、ストレスの原因となるものから離れることができると、ストレスを忘れられることが期待できます。
例えば、カラオケやジョギングなど簡単にできる趣味がおすすめと言えます。
しかし、趣味が目標設定を伴うようなものだと逆にストレス源になることがあるため、適度な楽しみ方が肝要でしょう。
日光に当たる
ストレス発散において、日光に当たることも大切です。
人は、ストレスを減らすために幸せホルモンである「セロトニン」という物質を脳内に分泌します。日光に当たることによって、脳内のセロトニンを増やすことができるでしょう。
また、セロトニンが増えると、気持ちが晴れやかになりストレスの発散に有効だとされています。
さらに、直接日光に当たることで、体内でビタミンDが生成され身体的にも良いとされています。
そのため、疲れているからと家にいるのではなく、毎日20分程度は外に出て日光に当たるようにしましょう。
ただし、過労な状態では疲労回復を優先することが大切です。
無理ない範囲で運動をする
ストレス発散のために、無理のない範囲で運動をすることも大切でしょう。
ストレス発散に効果のある「セロトニン」は、運動をすることでも分泌されます。
なお、セロトニンを分泌するために激しい運動は必要ありません。
例えば、ストレッチやウォーキングのような軽い運動でも効果が出る場合が多いです。
簡単な運動で対応できるため、日課にすることで長続きしやすい方法と言えます。
自分自身に理解がある人と話す
ストレス発散をしたい場合、自分の置かれている環境へ理解がある人や、普段から悩みを相談しやすい人と話すことも良い方法でしょう。
自分の本心や誰かへの不満を聞いてもらうことで、スッキリとした気持ちになる場合があります。
スッキリした気持ちになることで、心理的負担に起因するストレスを軽減しやすくなるでしょう。
専門家へ相談する
多くのストレス発散方法を試しても改善しない場合は、専門家に相談すると良いでしょう。
ストレス発散方法を試したけれども上手くいかず、日々の生活にストレスの影響が出てきてしまったら危険です。
ストレスによる反応が継続して感じる時は、、公的機関や医療機関で相談しましょう。
公的機関の具体的な例として、ネットから相談できる「こころの耳」や、厚生労働省で紹介されているような地域の相談窓口などの利用がおすすめです。
なお、ストレスによる症状として睡眠障害や意欲低下、動悸などの身体症状が出た場合などは精神科医の受診が望ましいです。
自分で症状に気付きにくいケースもあるため、職場の同僚や家族に指摘された場合も含まれます。
おすすめできないストレス発散方法
おすすめできないストレス発散方法は、主に以下の2つです。
- 乱れた食生活
- 適量を超えた飲酒
乱れた食生活
乱れた食生活を送ることは、ストレス発散方法としておすすめできない場合が多いです。
暴食をし、乱れた食生活を送ることはストレス発散になることがありますが、健康を害する恐れがあります。
例えば、乱れた食生活を続けていると、肥満により病気になってしまう可能性があるでしょう。
適量を超えた飲酒
適量を超えた飲酒も、ストレス発散方法としておすすめできないでしょう。
暴食同様に、適量を超えた飲酒をすることもストレス発散になることがありますが、健康を害する恐れがあります。
具体的には、適量を超えた飲酒を続けていると、依存症や、肝臓などの病気の原因となる可能性があります。
ただし、適量な飲酒はリラックス効果や疲労回復効果がある場合が多いため、お酒は適量で嗜む分には問題ない場合が多いです。
注意点として、飲酒により睡眠の質が低下する場合があります。また、寝酒が習慣化するとアルコール依存症になる可能性がありますので気をつけましょう。
ストレス解消方法に関するよくある質問
自分に合った発散方法を見つけるには
ストレス発散方法は、個人により合う合わないがある場合が多く、さまざまなものを試すことがポイントになります。
まずは、今回紹介したストレス発散方法を試してみましょう。
ストレス発散方法として、頑張りすぎず簡単に生活に取り入れられるものがおすすめと言えます。
例えば、一人でいることが好きな人が「人と話す」という方法を試してみても、かえってストレスがたまってしまう可能性がありますが、話し好きの人には良いストレス発散方法となる場合もあります。
このように、さまざまなストレス発散方法を試してみて、自分に合う方法を見つけるとよいでしょう。
家で一人で簡単にすぐできるおすすめのストレス発散方法は?
今回紹介したものの中で、家で一人でできるストレス発散方法は、「睡眠や休息の時間をとる」「深呼吸をして呼吸を整える」「大きな声を出す」「好きな食べ物を食べる」「五感を使って楽しむことをする」「趣味の時間をとる」などです。
家で一人でできるストレス発散方法は手軽で試しやすいため、取り組みやすいものから実践してみましょう。
もし、上記のストレス解消法で改善が認められない場合は、早めに専門家への受診を検討しましょう。
【監修者プロフィール】
江東こころのクリニック院長
谷本 幸多朗 医師
九州大学医学部卒業後、帯広第一病院にて救急医療や外科及び内科の研修を経験する。
2013年より久喜すずのき病院にて精神科急性期医療を後期研修し精神保健指定医となる。
2018年より江東区にて一般メンタルクリニックに加えて認知症デイケアを併設した物忘れ外来も行う精神科クリニックである江東こころのクリニックを開業し、現在に至る。
主な経験
- 精神保健指定医の経験あり
- 製薬会社主催の各講演会や地域の医療職対象の勉強会において講演や座長の経験多数あり