目次
呼吸法を行うことで得られる効果
呼吸法を行うことで得られる効果を、以下の呼吸法別に紹介していきます。
- 腹式呼吸
- 胸式呼吸
腹式呼吸
腹式呼吸の場合、以下のような効果が得られると考えられています。
- リラックス効果を得られる
- 免疫力が高まる
- 胃腸の機能が改善する
- 大きな声を出しやすくなる
リラックス効果を得られる
腹式呼吸を行うことでストレスを感じにくくなり、リラックス効果を得やすいです。
緊張状態にある時や、不安やストレスを感じている時に深い呼吸ができなくなることがあります。
そこで、お腹に空気を大きく吸い込み、ゆっくりと吐き出す腹式呼吸をすると、自律神経が整い、副交感神経が優位になると言われています。副交感神経が優位になると筋肉のこわばりがとれ、リラックスできる可能性が高いです。
また、深い呼吸で身体中に酸素を送り届けることで、幸せホルモンと呼ばれている「セロトニン」の分泌量が多くなると考えられています。セロトニンの分泌量が増えることにより、心が落ち着いてストレスを感じにくくなる効果が期待できます。
そのため、リラックスをしたい時や緊張や不安を感じている時は、腹式呼吸を意識すると良いでしょう。
免疫力が高まる
腹式呼吸を行うことで得られる効果のひとつとして、免疫力が高まるということが挙げられます。
免疫力とは、外部から身体の中に入ってこようとするウイルスや菌などの病原体の侵入を防ぐ力だと言われています。また、老廃物やがん細胞のような体内に発生した異常な細胞を自ら取り除く自己防衛力のことを指す場合も多いです。
横隔膜を上げたり下げたりして行う腹式呼吸は、腸に刺激が伝わることで副交感神経を優位にすると考えられています。副交感神経が優位になると、白血球の一部であるリンパ球が増大すると言われています。
血中にあるリンパ球は、身体の中にウイルスや菌などの病原体が侵入してきた際に追い払う役目があると言われています。
つまり、腹式呼吸を行うことで副交感神経が優位となり、リンパ球が増大して免疫力が高まることが期待できます。
胃腸の機能が改善する
腹式呼吸を行うことで、胃腸の機能が改善するとも言われています。
横隔膜を大きく上下させて行う腹式呼吸は、内臓を刺激して胃や腸の働きを活発化し、消化の助けとなる見込みがあります。
また、腹式呼吸によって横隔膜を動かすことで、腹腔内の圧力を高め、その圧力が便の排出を促すと考えられています。
さらに腹式呼吸は腸への刺激にも繋がると言われているため、便意を感じやすくさせる可能性が高いと言えます。
大きな声を出しやすくなる
腹式呼吸を行うと大きな声を出しやすくなる効果があると言えます。
腹式呼吸をすることで、吐き出す息の分量や強度を調整しやすくなるため、結果的に大きな声を出せることが期待できます。
また、腹式呼吸で発声をすると喉への負担がかかりにくくなり、お腹に力を込めて声を出せるようになるため、大きな声を出しやすくなるでしょう。
さらに、喉に力を加えずに空気を多く吸い込む腹式呼吸は、張りのある伸びやかな声や高音も出しやすくなるとも言われています。
胸式呼吸
胸式呼吸を行うことで、以下のような効果が得られると言われています。
- 体幹が鍛えられる
- 脂肪を燃焼しやすい身体になる
体幹が鍛えられる
胸式呼吸を行うことにより、体幹を鍛えられるという効果が見込めます。
胸式呼吸で横隔膜や肋骨の間の筋肉を意識して動かすことで、体幹が鍛えられる可能性が高いです。胸式呼吸を行って体幹が鍛えられると、身体の軸の安定感が増し姿勢が正しくなる場合もあります。
また、姿勢が正しくなることで、姿勢を維持する余分な力を使わないため、疲れを感じにくくなるケースもあるため、胸式呼吸はおすすめの呼吸法と言えます。
脂肪を燃焼しやすい身体になる
胸式呼吸を行うことで、脂肪を燃焼しやすい身体になる可能性が高いです。
胸式呼吸を行うと肋骨の間の筋肉や横隔膜などが大きく動くと言われています。これにより交感神経が優位になり、神経伝達物質の「ノルアドレナリン」が分泌されると考えられています。
ノルアドレナリンが分泌されると交感神経の働きが活発になり、心拍数や血圧を高めて基礎代謝がアップしやすいです。
つまりエネルギーがうまく消費される、脂肪を燃焼しやすい身体になると言えます。
呼吸法の種類
呼吸法の種類として、以下の2つがあると考えられています。
- 腹式呼吸
- 胸式呼吸
腹式呼吸
呼吸法の種類のひとつとして、腹式呼吸が挙げられるでしょう。
呼吸は空気中の酸素を身体の中に吸収し、二酸化炭素を身体の外に出す役割があると考えられています。
このとき重要な役割を果たす肺は単独では収縮することができず、周囲の骨や筋肉が動くことで伸びたり縮んだりすると言われています。筋肉の中でも横隔膜が呼吸をする際にポイントとなる働きをする場合が多いです。
腹式呼吸は主にこの横隔膜を使って行う呼吸法と言われています。横隔膜以外には腹筋や骨盤底筋を使うケースがあります。
なお、腹式呼吸は、呼吸時に筋肉に使用される酸素が少なく、一気に吸い込める酸素量が胸式呼吸の3倍以上になる可能性があります。
また、腹式呼吸を行うと自律神経が整いやすく、副交感神経が優位になり、リラックスしやすいと考えられています。例えばリラックスしている就寝中は意識せずとも腹式呼吸を行っていると言われています。
胸式呼吸
その他の呼吸法の種類として、胸式呼吸が挙げられます。
日常生活の中で自然と行っている呼吸は、胸式呼吸が多いと考えられています。
胸式呼吸は肋骨の間の筋肉を使って肋骨を拡張させることで、肺を膨らませて行う呼吸と言われています。
胸式呼吸によって自律神経の交感神経が優位になり、神経伝達物質のアドレナリンが分泌されると考えられています。アドレナリンが分泌されると、やる気が起きやすくなったり、身体が活動的になる可能性が高いです。
正しい腹式呼吸のやり方
ここでは、正しい腹式呼吸のやり方を紹介していきます。
①おへそを上に向けて横になって膝を立たせる
②左右の手のひらをそれぞれおへそと胸の上にのせる
③ゆっくりとお腹の中の息を吐き切る
④鼻から少しずつ空気を取り込む
⑤時間をかけて空気を口から出す
まず仰向けになり、おへその上と胸の上に、それぞれ左右の手のひらをのせます。そうすることで、おへその上にのせた手のひらで、お腹の空気の出入りを確認できるでしょう。また胸の上にのせた手のひらで、胸の上下の動きをチェックすることで、胸式呼吸になっていないかを確認できます。
次に、お腹の中の息をしっかり吐き切ると、お腹を極限までへこませられることが期待できます。
その後、少しずつ鼻から空気を取り込むことで短時間で大量に吸い込み過ぎず、無理のない自然な呼吸となって、横隔膜の動きを意識しやすくなることが見込めます。
最後に、時間を費やして空気を口から出すと、お腹のへこみを感じやすくなります。また、息を吐き出す時は口の形を小さくすると、時間をかけてゆっくりと息を出すことができるでしょう。
なお、横になって膝を立てた姿勢は横隔膜を上下しやすいため、腹式呼吸が習慣化するまでは、横になり仰向けの状態で行うことがおすすめと言えます。仰向けになった状態で腹式呼吸がうまくできるようになった場合は、座った姿勢や立った姿勢でも行ってみると良いでしょう。
深い呼吸の習慣化サポートデバイス
深い呼吸を習慣化したい人は、深呼吸の習慣化を促すグッズを使用してみると良いでしょう。
深呼吸の習慣化を促すグッズには吸引型のデバイス「ston s」があります。「ston s」は吸い口から息を吸い込み、その吸い込んだ息をゆっくりと吐くようにして使用します。 「ston s」のようなグッズを使用することで深い呼吸が促され、習慣化できる可能性が高いです。そのため深い呼吸を習慣化したい人には、おすすめのグッズと言えるでしょう。
深呼吸習慣化デバイス「ston s」

- 「ston s」は、エナジードリンクでも、電子タバコでもない深呼吸を習慣化することを目的としたデバイス
- 罪悪感0で瞬間リフレッシュが可能
- 充電の必要がなく、どこでも持ち運びできる
呼吸法の効果に関連するよくある質問
腹式呼吸をやりすぎるとどうなりますか?
腹式呼吸をやりすぎると、めまいが起きる場合があります。
腹式呼吸をしすぎてしまうと、二酸化炭素が必要量以上に排出され、過呼吸の状態になるケースがあります。この過呼吸の状態が、めまいに繋がると言えます。
感情と呼吸にはどのような関係がありますか?
感情と呼吸は、密接に絡み合って連鎖すると考えられています。
呼吸には以下の3つのタイプがあると言われています。
- 自律神経にコントロールされる意識をせずに行っている呼吸
- 運動神経にコントロールされる意図的に行う呼吸
- 心の動きによって変化する「情動呼吸」
日常的に行っている呼吸は自律神経によってコントロールされるもので、身体の機能を維持する役割を担っている場合が多いです。
深呼吸など意図的に行う呼吸は、運動神経によって自ら制御することができると言えます。
また、「情動呼吸」という心の動きによって、連動して変わる呼吸があると言われています。
例えば緊張やストレスを感じると呼吸が早くなったり、怒りの感情で息が上がったりしやすいです。一方でリラックスしている時は、ゆったりと深い呼吸になる傾向があります。
つまり感情が自律神経に影響を及ぼし、連鎖して呼吸の様子に現れると考えらます。
478呼吸法はなぜ効果があるのですか?
478呼吸法を行うと横隔膜が動くため、様々な効果が得られると考えられています。
横隔膜が動くことで、その周辺にある筋肉も刺激され、自律神経に作用してリラックス効果を得られる場合があります。
また、478呼吸法によって伸びたり縮んだりする横隔膜に、周りの内臓が圧迫されて血流改善の効果が得られるケースもあります。
さらに478呼吸法で横隔膜が動くことで、周りの体幹に関わる筋肉も動き、体幹が鍛えられ良い姿勢を保ちやすくなる可能性が高いと言えます。
【監修者プロフィール】

江東こころのクリニック院長
谷本 幸多朗医師
九州大学医学部卒業後、帯広第一病院にて救急医療や外科及び内科の研修を経験する。
2013年より久喜すずのき病院にて精神科急性期医療を後期研修し精神保健指定医となる。
2018年より江東区にて一般メンタルクリニックに加えて認知症デイケアを併設した物忘れ外来も行う精神科クリニックである江東こころのクリニックを開業し、現在に至る。
▼主な経験
・精神保健指定医の経験あり
・製薬会社主催の各講演会や地域の医療職対象の勉強会において講演や座長の経験多数あり