目次
深呼吸の効果
深呼吸には以下のような効果があると言われています。
- 自律神経が整う
- 睡眠の質が向上する
- 集中力が上がる
- 内臓の働きが活発になる
- 血の巡りが改善する
自律神経が整う
深呼吸には自律神経を整える効果があると言われています。
深呼吸で多くの酸素を身体に取り込むと、脳の神経伝達物質であるセロトニンが分泌されると考えられています。このセロトニンは、自律神経を調整する作用があり、「幸せホルモン」と言われています。
つまり、深呼吸をして長い時間をかけて息を吐くことで、自律神経のバランスが整い、副交感神経が優位になると言えます。
その結果、張り詰めた心を和らげてリラックス効果を得られる可能性があります。
睡眠の質が向上する
深呼吸によって睡眠の質が向上する効果が期待できます。
深呼吸には自律神経を整える効果が見込まれており、副交感神経を優位にすると言えます。副交感神経が優位な状態になると身体のこわばりが解けやすく、睡眠の質の向上に繋がると考えられています。
例えば、身体を倒して仰向けの状態で行うなど、眠る前にゆっくりと深呼吸をすることでリラックスした状態になりやすくなり、睡眠の質の向上が期待できます。
集中力が上がる
深呼吸の効果のひとつとして、集中力が上がるということが挙げられます。
深呼吸を行うことで、脳にたくさんの酸素を送り込むことができると考えられています。これによって、脳の働きが活性化し、集中力が上がる可能性があります。
また、深呼吸をして気持ちをリフレッシュすることによって、集中力の向上に繋がる効果も期待できます。
内臓の働きが活発になる
深呼吸は、内臓の働きを活発にさせる効果があると考えられています。
深呼吸を行うと横隔膜が動き、身体の内側にも刺激が加わるため、内臓の働きが活発になることが見込めます。
また、深呼吸で副交感神経が優位になると腸の動きが増進したり、尿の排出が促進されたりするなど内臓の働きが活発になり、代謝が良くなる可能性が高いと言えます。
血の巡りが改善する
深呼吸には、血の巡りを改善する効果が期待できます。
深呼吸をすることで多くの酸素が体内に取り込まれるのと同時に、副交感神経が活性化し、血管が拡張する効果が見込めます。血管が拡張すると血の巡りが良くなり、身体全体に酸素や栄養素を効率よく届けることができると考えられます。
さらに、血の巡りの改善によって、筋緊張が解れ、身体の凝りや冷えなどの軽減にも繋がる可能性があります。
効果的な深呼吸のやり方
効果的な深呼吸のやり方として、以下の方法があると言えます。
- 姿勢を正したまま楽な体勢をとり、椅子や床に腰を下ろす
- へその下部に左右の手を添えて、全ての息を口から吐く
- 下腹部を酸素で満たす意識で、左右の手をお腹で押し上げるように鼻から息を吸う
- 今度は下腹部がしぼんでゆくのを手のひらで確認しながら、息を吸った際の2倍程度のペースで細く息を吐く
- 1~4の手順を3回から5回程度繰り返す
深呼吸を習慣化するポイント
深呼吸を習慣化するポイントとして以下が挙げられます。
- ストレスを感じた場合に深呼吸をする
- 深呼吸を習慣化を促すグッズを使用する
- ルーティンを作る
ストレスを感じた場合に深呼吸をする
ストレスを感じた場合に深呼吸をすることで、深呼吸を習慣化できる可能性があります。
緊張している時や焦っている時など、ストレスを感じると知らず知らずのうちに呼吸が浅くなっているケースがあります。呼吸が浅くなると交感神経が優位になり、心身を緊張状態にさせてしまう可能性が高いです。
ストレスを感じた場合は深呼吸をすることで、自律神経のバランスが整い、副交感神経が優位になることによって、リラックス効果を得られることが期待できます。
このことから、ストレスを感じた時に深呼吸をすることで、深呼吸の習慣化に繋がる可能性があります。
例えば、仕事でミスを繰り返した際や思うように作業が捗らなかった際などに深呼吸をすると、リラックスして落ち着くことができる見込みがあるため、実践してみると良いでしょう。
深呼吸の習慣化を促すグッズを使用する
深呼吸を習慣化するポイントのひとつとして、深呼吸の習慣化を促すグッズを使用することが挙げられます。
深呼吸の習慣化を促すグッズには吸引型のデバイス「ston s」があります。「ston s」は吸い口から息を吸い込み、その吸い込んだ息をゆっくりと吐くようにして使用します。 「ston s」のようなグッズを使用することで深い呼吸が促され、習慣化できる可能性が高いです。
深呼吸習慣化デバイス「ston s」

- 「ston s」は、エナジードリンクでも、電子タバコでもない深呼吸を習慣化することを目的としたデバイス
- 罪悪感0で瞬間リフレッシュが可能
- 充電の必要がなく、どこでも持ち運びできる
ルーティンを作る
ルーティンを作ることも深呼吸を習慣化するポイントのひとつと言えます。
日々のルーティンとして、日常生活の中のポイントとなるタイミングに合わせて深呼吸を行うことで、深呼吸が習慣化されやすい傾向があります。
例えば、朝の起床後や夜の就寝前のタイミングに合わせて深呼吸を行うと、忘れずに習慣化しやすいです。
また、仕事や勉強の合間の休憩時間に深呼吸を行うようにすることも、深呼吸を習慣化する際のポイントと言えます。
深呼吸以外で自律神経を整える効果がある方法
深呼吸以外で自律神経を整える効果がある方法として、以下のような方法が考えられます。
- 運動をする
- バランスの取れた食事をする
- 好きな香りや音楽を楽しむ
- 日光浴をする
- お風呂に浸かる
- 質の良い睡眠をする
運動をする
深呼吸以外で自律神経を整える効果がある方法のひとつとして、運動をすることが挙げられます。
運動をすると、日頃あまり動かしていない凝り固まった筋肉が刺激されて、血流が促されます。併せて血流が良くなると、酸素や栄養素が身体中に行き渡りやすくなる可能性が高いです。
また、適度に体を動かした後は、副交感神経が優位となり、自律神経のバランスが整うとも考えられています。
例えば、水泳やウォーキングなどの有酸素運動は、副交感神経を優位にしてストレスを軽減させると言われています。
ただし、勝敗を競うような運動は、かえってストレスになる可能性があるため、避けた方が良いでしょう。
さらに、激しすぎる運動は交感神経が働き、疲労物質が蓄積されて、逆に自律神経のバランスを崩してしまう可能性があるため、注意が必要です。
バランスの取れた食事をする
バランスの取れた食事をすることも、深呼吸以外で自律神経を整える効果がある方法のひとつと言えます。
バランスの取れた食事は必要な栄養素を体内に取り込み、自律神経が正しく機能するためのエネルギーを供給すると考えられています。
5大栄養素である以下の栄養素をバランスよく摂ることで代謝がよくなり、結果的に自律神経が整いやすいです。
- タンパク質
- 脂質
- 糖質
- ビタミン
- ミネラル
また、ひじきやゴマなどに多く含まれるマグネシウムは、神経の興奮状態を鎮静化し、自律神経のバランスを保つことが期待されます。
栄養バランスの他、ある程度決まった時間に規則正しく食事をとることも、自律神経を整える上で重要と考えられています。
好きな香りや音楽を楽しむ
好きな香りや音楽を楽しむことで、自律神経を整えられる可能性が高いと言えます。
香りを嗅ぐと脳に直接刺激が伝わり、自律神経をつかさどる視床下部へと情報が伝達されていきます。つまり、心地良いと感じる香りを嗅ぐことによって、穏やかなリラックスタイムを作り出し、自律神経も整う可能性が高いです。
自律神経を整えると言われている香りには、以下のようなものが挙げられます。
- ラベンダー
- サンダルウッド
- グレープフルーツ
- ユーカリ
- ゼラニウム など
また、音楽を楽しむことで脳内にドーパミンが分泌されて幸福感が増し、ストレスを緩和させることが見込めます。
ただし、香りも音楽も他の人にとってストレス解消になるものが自分にも当てはまるとは限らないため、好みに合った自分が心地良いと感じるものを選ぶことが重要だと言えます。
日光浴をする
深呼吸以外で自律神経を整える効果がある方法のひとつとして、日光浴をすることも挙げられます。
人間には約24時間刻みでホルモンの分泌や体温、自律神経などを調整する体内時計が存在すると言われています。
朝に日光浴をすると、この体内時計のリズムが乱れないようリセットできる可能性が高いです。朝日を浴びると、網膜から日光の情報が取り込まれ、脳内では「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンが分泌されると考えられています。このセロトニンは自律神経を整える働きがあると言われています。
そのため、朝目覚めたらまずカーテンを開けたり、休日も外へ出掛けたりして、日光を浴びると良いでしょう。
反対に夜は、強い照明を浴び続けることや、スマートフォンやパソコンの画面を見続けると、交感神経が刺激されて体内時計が狂ってしまう場合があるため、注意しましょう。
お風呂に浸かる
お風呂に浸かることも、深呼吸以外で自律神経を整える効果がある方法だと言えます。
お風呂に浸かって身体を温めることで血の流れが良くなったり、自律神経が整いやすくなったりすると考えられています。
38度前後のぬるま湯にゆっくりとつかることで副交感神経が優位になり、リラックス効果も得やすいです。
42度以上の熱いお湯に浸かると、交感神経が刺激されて興奮状態となり自律神経のバランスが乱れてしまう可能性が高いため、注意が必要と言えます。
質の良い睡眠をする
質の良い睡眠をすることも、自律神経を整える効果が見込めます。
睡眠中は免疫機能の調整が行われるなど、副交感神経が優位の状態となり、身体の回復に充てられていると考えられています。
そのため、睡眠を取って副交感神経が働く時間を作ることは、自律神経の調和を取るために重要なポイントのひとつと言えます。
一般的な指標として、毎日7時間前後の睡眠時間を取るようにすると良いとされています。
注意点として、寝る直前にパソコンやスマートフォンの画面を見過ぎていると、強い光で交感神経が刺激されて脳が覚醒し、自律神経が乱れてしまうことがあるため、気をつけましょう。。
深呼吸の効果に関するよくある質問
自律神経が乱れてしまった場合どのような影響がありますか?
自律神経が乱れてしまうと身体面と精神面に影響があると言えます。
自律神経は身体全体の機能の調整を行っているため、自律神経が乱れると様々な症状が出やすいです。
身体面の影響としては、以下のような症状が発生する可能性があります。
- 動悸
- めまい
- 耳鳴り
- 頭痛
- 下痢
- 吐き気 など
また、精神面の影響としては以下のような症状が発生する可能性があります。
- 不眠
- 不安感
- 集中力の低下
- 苛立ち
- 倦怠感 など
どのような症状が発生するかは、人によって異なると言われています。
深呼吸をやりすぎてしまうとどのような影響がありますか?
深呼吸をやりすぎてしまうと、めまいや頭痛を引き起こす可能性があります。
呼吸は、酸素を取り込み、体内で作られた二酸化炭素を体外に排出することで、血中のアルカリ性物質と酸性物質のバランスを維持する役割を担っていると考えられています。
しかし、過度な回数の深呼吸を行った場合は、体内のアルカリ性物質と酸性物質のバランスが崩れて身体の不調を引き起こす原因となることがあります。
深呼吸は一日に何回行うと良いですか?
一般的には、1日1分間程度の時間を取り、1分間に4~6回を目安に行うと良いと言われています。 通常、大人は1分間に12回前後から20回程度の呼吸を行っている場合が多いですが、深呼吸を行う際は、腹式呼吸を意識し、1分間に4~6回のペースを心がけるのが望ましいと考えられています。
【監修者プロフィール】

江東こころのクリニック院長
谷本 幸多朗医師
九州大学医学部卒業後、帯広第一病院にて救急医療や外科及び内科の研修を経験する。
2013年より久喜すずのき病院にて精神科急性期医療を後期研修し精神保健指定医となる。
2018年より江東区にて一般メンタルクリニックに加えて認知症デイケアを併設した物忘れ外来も行う精神科クリニックである江東こころのクリニックを開業し、現在に至る。
▼主な経験
- 精神保健指定医の経験あり
- 製薬会社主催の各講演会や地域の医療職対象の勉強会において講演や座長の経験多数あり