目次
疲れやすいときに考えられる原因・理由
疲れやすいときに考えられる原因には、以下のようなものがあります。
- 栄養が足りていない
- 睡眠不足に陥っている
- 運動量が少ない
- ストレスを抱えている
- ホルモンバランスが乱れている
- 病気や疾患が隠れている
栄養が足りていない
疲れやすい時は、栄養が足りていないことが理由となっている可能性が高いです。
不足していると疲れやすさの原因になる栄養素としては、主に以下のものがあります。
- 糖質
- タンパク質
- 鉄分
- ビタミンB群
身体の活動に必要なエネルギーは、糖質を摂取することで作り出されると考えられています。そのため、糖質が不足している場合は、エネルギーが生成されにくい状態に陥り、疲れやすさを感じる場合が多いです。
またタンパク質は細胞や血管などの器官や、ドーパミンなどの神経伝達物質の生成に関係していると考えられています。したがってタンパク質不足は、基礎体力や気力の低下を引き起こす可能性が高いです。
他にも鉄分に関しては、血液で酸素を運ぶ役目を持っているヘモグロビンの構成要素になると言われています。ヘモグロビンは酸素の供給に関係していることから、鉄分が不足すると、動悸や息苦しさなどを伴う疲れを感じやすいです。
最後にビタミンB群は脂質や糖質をエネルギーに変換する役割を持っていると言われています。ゆえにビタミンB群が不足している場合はエネルギーへの変換がうまく行われず、疲れやすさを感じてしまうと考えられます。
睡眠不足に陥っている
疲れやすいと感じている場合、主に睡眠不足が原因として挙げられます。
日中に生じた心身の疲れは、ノンレム睡眠の間に分泌される成長ホルモンが筋肉や細胞などを修復することによって、回復されると考えられています。
そのため睡眠時間が短かったり、睡眠の質が低かったりすると、脳や身体の疲れが回復しない可能性が高いです。
また睡眠不足は、身体の緊張感を高めるコルチゾールの分泌量を増やすともいわれています。継続的に多量のコルチゾールが分泌される環境下では、自律神経の働きが悪くなりやすく、ストレスや疲労感を増幅させる恐れがあります。
運動量が少ない
運動量の少なさが原因で、疲れやすさを感じる人も多いと言えます。
日頃から体を動かす習慣がない場合、筋力が低下していることが多いです。筋力が低下すると、身体の血液を循環させる機能も衰えてしまう場合があります。
すると、本来血液によって運ばれる酸素や水分、栄養分などが体内に行き届かなくなる可能性が高いです。
また、血流が悪化した結果、新陳代謝が下がってしまうことが考えられます。新陳代謝が下がった結果、疲労に影響する物質が体外へ排出されずに疲労が蓄積される恐れがあります。
ストレスを抱えている
疲れやすいときの原因の1つに、ストレスを抱えていることが考えられます。
ストレスが疲れやすさに繋がる理由として、ストレスが自律神経のバランスを乱す可能性がある点が挙げられます。
自律神経の1つである副交感神経は、一般的に心が休まっている時に優位に働きやすいです。一方、ストレスを受けると、交感神経が優位になると言われています。
つまり長期的なストレスによって交感神経優位の状態が続くと、緊張感や不安感を感じやすい心理状態となる恐れがあります。その結果、些細な出来事に対して疲れやすさを感じるなどの悪影響が出る可能性が高いです。
また、ストレスがホルモンバランスや免疫機能の働きに影響することによって、慢性的な疲れに繋がるケースも多いです。
ホルモンバランスが乱れている
疲れやすいと感じている場合、ホルモンバランスが乱れていることが原因の可能性もあります。
女性ホルモンや男性ホルモンの分泌が滞ることは、心や身体の不調に繋がると考えられています。そういったホルモンバランスの乱れによる心身の不調が原因で、疲れやすさを感じてしまう場合も多いです。
例えば女性の場合、気持ちの落ち込みや、倦怠感などの不調を感じやすくなるケースが見受けられます。一般的に、閉経に向け40歳を超えると、女性ホルモンが減少する場合が多いです。
一方男性は、30歳を超えると加齢とともに男性ホルモンが減少していくことが多いと言われています。主な不調としては、無気力感が生じたり、質の良い睡眠がとりにくくなったりしやすいです。
病気や疾患が隠れている
疲れやすいと感じるときは、病気や疾患が隠れていることも考えられます。
疲れやすさの原因になり得る病気や疾患の例は、主に以下の通りです。
- 慢性疲労症候群
- 糖尿病
- 甲状腺機能低下症
- 睡眠時無呼吸症候群
- うつ病などの精神疾患
- 風邪などの症状
- 貧血や低血圧
- 更年期障害による症状 など
これらの病気や疾患に関しては、病院での診察が必要な場合があります。
疲れやすい体質の治し方
疲れやすい体質の治し方には、以下のものが挙げられます。
- 深呼吸をする
- 食事のバランスを整える
- 睡眠の質と時間を整える
- 適度に運動する
- 身体をリラックスさせる
- ストレスを発散する
- 病院で診察を受ける
深呼吸をする
疲れやすいと感じている場合は、深呼吸を取り入れることで状況が改善される場合があります。
呼吸と自律神経は互いに関わりあっていると考えられています。例えば疲れやストレスを感じている時、呼吸は浅くなり、交感神経の乱れが生じている場合が多いです。
一方呼吸が深いときは副交感神経が優位になるため、心身がリラックスしやすいと言われています。
そのため、意図的に深呼吸をすることで心身をリラックスさせ、疲れを回復させる効果が期待できると言えます。
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食事のバランスを整える
食事のバランスを整えることも、疲れやすさの改善に効果を期待できる手段の1つだと考えられます。
身体や脳を動かすためのエネルギーは、食材に含まれる栄養素を過不足なく摂ることで作り出されると言われています。
つまり、バランスの悪い食生活を続けると、脳や身体がエネルギー不足に陥り、疲労感を感じやすくなる可能性が高いです。
例えば糖質やたんぱく質、ビタミンなどの疲れに関係する栄養素をバランスよく摂取することで、疲れの効果的な回復が期待できると言えます。
また食事のバランスを整えることが難しい場合は、サプリメントなどを利用することも1つの手段として考えられます。
睡眠の質と時間を整える
睡眠の質と時間を整えることでも、疲れやすさを改善できる場合があります。
睡眠には、レム睡眠とノンレム睡眠を繰り返すことで、身体と脳の両方を休めて回復させる効果があると考えられています。つまり睡眠時間を適切にとることで、疲労を回復できる可能性が高いです。
なお、大人の理想的な睡眠時間は、7時間から9時間程度であると言われています。
また睡眠の質は、自律神経や代謝活動を整えることに関係している場合が多いです。そのため、睡眠の質を向上することで、疲労回復の効果が期待できると考えられます。
適度に運動する
疲れやすいと感じている場合は、適度に運動をすることで改善できることもあります。
適度に運動して筋肉を刺激することで、血流を改善する効果が期待できます。血流が改善した結果、必要な栄養素や酸素、水分などが全身に行き届くことで、効率的に疲労を回復できる可能性が高いです。
さらに、血流が改善されることで疲労に関連する物質も排出されやすくなると言えます。
また、適度に運動する習慣をつけることで体力が向上することも期待できます。体力をつけることで、疲れやだるさに強い身体を手に入れられるでしょう。
しかし過度な運動は、疲労の回復に逆効果となってしまう場合もあります。そのため、無理をせずに適度な運動を続けることが大切であると言えます。
身体をリラックスさせる
疲れやすさの改善には、身体をリラックスさせることも効果的であると言えます。
ストレスが蓄積されている時は、交感神経が優位になっている場合が多いです。そこで、身体をリラックスさせて副交感神経を優位にすることで、自律神経のバランスを取ることができると考えられています。
自律神経のバランスを取ることで、ストレスの蓄積を予防できる可能性が高いです。ストレスの蓄積を防ぐことで、結果的に疲れやすさの改善が期待できます。
リラックスするための主な手段としては、例えば好きな香りや音楽を楽しむことが挙げられます。
ストレスを発散する
心身の疲れやすさを改善するには、ストレスの発散も重要であると言えます。
ストレスを発散することで気分転換ができ、心身を落ち着ける効果が期待できます。心身を落ち着けることで、自律神経を安定させられる場合が多いです。
また自律神経の働きが安定した結果、リラックス効果を得られ、疲れやすさの改善を期待できると言えます。
適度にストレスを発散するために、趣味や運動、深い呼吸の習慣化など、自分に合ったストレス発散方法を見つけると良いでしょう。
病院で診察を受ける
疲れやすさが改善されない場合は、病院で診察を受けることも1つの手段だと考えられます。
食事や運動、睡眠などの生活習慣を見直しても疲れが取れない場合、病気が原因である可能性があります。病気が疑われる場合は、病院で診察を受けて適切な処置を受けることで、疲れやすさに対する効果が見込めるでしょう。
また、できる限り早く原因を特定することで、症状の深刻化を防ぎ、早期に改善することにも期待できます。
疲れやすい人の特徴
疲れやすい人の特徴には以下のものが該当します。
- 完璧主義である
- 責任感が強く真面目である
- 周囲の目を気にする
- 共感する力が高い
- 自己主張が控え目である
完璧主義である
疲れやすい人に多い特徴として、完璧主義であることが挙げられます。
完璧主義な人は、自分ができる範囲を超えても物事を頑張る傾向にあります。また仕事などもミスなく完璧にこなそうとするため、気持ちが張り詰めた状態でいる人も多いです。
そのため物事を頑張りすぎたり、ミスを気にして慎重になったりするあまり、疲れやすい性格であると言えます。
責任感が強く真面目である
責任感が強く真面目なことも、疲れやすい人に多くあてはまる特徴の1つです。
責任感が強く真面目な人は、仕事を頼まれると、自分でできる仕事の限界を超えていても断れない傾向にあります。また、仕事を完遂するために自分の自由時間を削って仕事をする場合もあります。
このように責任感が強く真面目な人は頑張りすぎてしまうことが多く、疲れやすい人であると言えるでしょう。
周囲の目を気にする
疲れやすい人の特徴として、周囲の目を気にする性格であることも考えられます。
周囲の目を気にする人は、自分に対する反対意見や評価を気にして、相手に合わせてしまう傾向があります。
相手に合わせた結果、自分の願望や意見を主張できずに疲れてしまうことが少なくないです。
共感する力が高い
周囲の人に共感する力が高いことも、疲れやすい人に多い特徴の1つとして挙げられます。
共感する力が高い人は、相手の言葉や顔色などを気にし過ぎる傾向にあります。相手に嫌な思いをさせてしまうことなどに対して敏感で、他人の反応や変化に対して、深く悩み過ぎてしまう人が多いです。
このように、相手がネガティブな感情を抱かせないように、気を遣いすぎることで疲れやすくなってしまうと言えます。
自己主張が控え目である
疲れやすいと感じる人の中には、自己主張が控えめであるという特徴を持つ人も多いです。
自己主張が控えめな人は、自分の意見よりも相手の主張や願望を聞き入れる傾向にあります。仕事などを頼まれた際も断り切れなかったり、他人に頼ることが苦手だったりする場合が多いです。
自己主張を抑えた結果、1人で問題を抱え込んでしまいやすく、ストレスを感じて疲れてしまう人が多いと考えられます。
疲れやすいことに関するよくある質問
疲れやすさを感じ始める年齢はありますか?
20代から体力は徐々に低下し、50代以降に突然疲れやすさを感じやすくなる人が多いと言われています。
50代以降は体力に加えて筋力も低下する傾向があるため、急激に疲れやすさを感じる人が多くなると考えられています。
また仕事や家庭で負う責任も、年を重ねるにつれて大きくなる場合が多いため、ストレスを抱えている人も多いと言えます。
ストレスを抱えた結果、自律神経が乱れ、疲れが取れにくくなってしまうことも、疲れやすさを感じる原因となる可能性が高いです。
生まれつきの体質も疲れやすい原因になりますか??
生まれつきの体質や気質が疲れやすい原因になることがあります。
疲れやすい人が生まれつき持つ特性の代表例として、HSPが挙げられます。HSPとはHighly Sensitive Personの略であり、周囲の刺激に気付きやすかったり、周囲へ共感する力が高かったりという特徴を有する場合が多いです。
周りの変化に影響を受けやすいHSPの人は、ストレスを溜めやすく、疲れやすいと感じる人が多いと考えられます。
20代で疲れやすい原因は何ですか?
20代で疲れやすい原因として、主に以下のものが考えられます。
- 生活習慣の乱れ
- 環境の変化によるストレス
- 病気や疾患が隠れている
- 女性ホルモンの乱れ
20代は食事のバランスや睡眠時間など、生活習慣が乱れてしまう人が多いと考えられています。生活習慣が乱れた結果、疲れやすさを感じてしまう可能性が高いです。
また20代の人は、学校や職場など新しい環境に身を置くことが多いと言えます。新しい環境ではストレスを感じやすいため、疲れてしまう場合も多いです。
さらに20代の女性の中には、妊娠や出産を迎える人もいます。妊娠や出産のタイミングでは、女性ホルモンの分泌量が急激に変化すると考えられています。女性ホルモンが乱れた結果、一般的に疲れやすさを感じることも多いです。
40代を超えると疲れやすくなる原因は何ですか?
40代を超えると疲れやすくなってしまう原因には、主に以下のものが挙げられます。
- ストレスの蓄積
- 筋肉の減少
- ホルモンバランスの乱れ
- 睡眠時間の不足
40代の人は仕事や家庭内などで負う責任が大きくなっていく傾向にあるため、ストレスを蓄積しやすいと言えます。ストレスが蓄積された結果、疲れを感じやすい場合が多いです。
また筋肉量は40代頃から減少していくと考えられています。筋肉量が減少した結果、体力の低下や血流の悪化を招き、疲れやすくなってしまうことも多いです。
さらに、40代を超えるとホルモンバランスの乱れや睡眠不足の影響を受けやすくなるとも考えられており、疲れやすい身体となる原因として考えられます。
【監修者プロフィール】
江東こころのクリニック院長
谷本 幸多朗医師
九州大学医学部卒業後、帯広第一病院にて救急医療や外科及び内科の研修を経験する。
2013年より久喜すずのき病院にて精神科急性期医療を後期研修し精神保健指定医となる。
2018年より江東区にて一般メンタルクリニックに加えて認知症デイケアを併設した物忘れ外来も行う精神科クリニックである江東こころのクリニックを開業し、現在に至る。
▼主な経験
・精神保健指定医の経験あり
・製薬会社主催の各講演会や地域の医療職対象の勉強会において講演や座長の経験多数あり