目次
バイタルサインとは
バイタルサインとは、人間の生体機能や体調を評価する際に欠かせない指標の1つだと言われています。バイタルサインを構成する主な要素として、以下の4つが挙げられます
- 呼吸数
- 心拍数
- 血圧
- 体温
バイタルサインは、体内の主要な機能の状態を示すとされている指標の1つです。そのため、バイタルサインの数値を確認し、変化を観察することは、対象者の体調を推測する上で有効だと考えられています。
バイタルサインの1つである呼吸数は、対象者の呼吸を観察することで、さまざまな情報を得られるとされています。呼吸数とは、1分間に行われる呼吸の回数を示す指標の1つです。そして、呼吸数は酸素と二酸化炭素の交換を効率よく行うために、自律的に調節される場合が多いです。
呼吸は、生物が体を動かすためのエネルギーを作る行動の一環であり、体内で酸素と二酸化炭素の交換を促進する働きがあると言われています。
呼吸数の正常値を年齢別に解説
年齢別の呼吸数の正常値は、以下の通りです。
- 【乳児~児童】10代の呼吸数の正常値
- 【成人】20代・30代・40代・50代の呼吸数の正常値
- 【高齢者】60代・70代・80代以降の呼吸数の正常値
【乳児~児童】10代の呼吸数の正常値
10代の呼吸数の正常値は成長段階によって変わりますが、1分あたり15回~70回の間で推移するとされています。
乳児期から児童期にかけて、成長と共に呼吸数の正常値は変化すると言われています。肺の発達が未熟な状態では、吸った酸素と体内の二酸化炭素を交換する役割を担う肺胞の数が少ないと考えられています。そのため、酸素と二酸化炭素の交換を行うために多くの呼吸が必要になることが少なくありません。
児童期を超えると肺胞の増加は終了し、その数は一定を保つとされています。しかし呼吸筋や胸部の発達によって呼吸が長く深いものになりやすいため、1回の呼吸で交換できる酸素と二酸化炭素の量は児童期後も増えるとされています。
そのため、児童期以降、呼吸数の推移は緩やかに減少することが多いです。以下は、成長段階ごとの呼吸数の正常値です。
- 新生児:30~70/分
- 乳児:25~55/分
- 幼児:20~30/分
- 小学生:21~25/分
- 中学生:19~21/分
- 高校生:18~20/分
【成人】20代・30代・40代・50代の呼吸数の正常値
20代以降の成人における呼吸数の正常値は、1分につき12~20回程度の範囲内で変動すると言われています。
成人の呼吸数は、年齢や性別、体調や身体の状態など、さまざまな要因によって変化しがちです。
なお、1分につき12~20回を呼吸数の正常値として、呼吸数の多寡が判断されます。1分あたりの呼吸数が10~12回以下になると、徐呼吸と判断される場合が多いです。一方で、1分あたりの呼吸数が20~25回以上になると、頻呼吸として扱われる傾向にあります。
【高齢者】60代・70代・80代以降の呼吸数の正常値
60代・70代・80代以降の呼吸数の正常値は、1分間に10~30回程度が目安です。60代以降の高齢者は、肺機能が衰えて酸素の吸収効率が低下するため、成人に比べて呼吸数が多くなる傾向にあります。
他にも、体温調節機能が弱まることで体温が上昇しやすくなり、それに伴い呼吸数が増えやすくなります。同じ高齢者の分類でも、加齢が進むと呼吸数が増える場合が多いです。60代から80代における年齢ごとの呼吸数の正常値は、下記の数値が目安になります。
- 65歳~74歳:16~22/分
- 75歳~84歳:17~23/分
- 85歳以上:10~30/分
高齢者の呼吸数は個人による差が大きく、正常値にもばらつきが出やすい傾向があります。呼吸数の異常をいち早く発見するためには、普段の呼吸の傾向を把握しておくことが大切だと言えるでしょう。
深呼吸を習慣化するためのおすすめデバイス
深い呼吸を習慣化したい人は、深呼吸の習慣化を促すグッズを使用してみると良いでしょう。
深呼吸の習慣化を促すグッズには吸引型のデバイス「ston s」があります。「ston s」は吸い口から息を吸い込み、その吸い込んだ息をゆっくりと吐くようにして使用します。 「ston s」のようなグッズを使用することで深い呼吸が促され、習慣化できる可能性が高いです。そのため深い呼吸を習慣化したい人には、おすすめのグッズと言えるでしょう。
深呼吸習慣化デバイス「ston s」

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睡眠時における呼吸数の正常値とは
睡眠時の呼吸数の正常値は、成人の場合1分あたり12~16回とされています。睡眠中は体温や血圧、脈拍数の低下に伴い、呼吸数も減少しがちです。
成人の呼吸数の正常値は1分間で12~20回が目安とされていますが、睡眠時の呼吸数の正常値はやや低めになる傾向があります。
しかし、睡眠中の呼吸数は人によって大きく異なるため、10〜20回程度の範囲であれば正常と見なされることが多いです。
睡眠時に注意が必要とされる病気の1つに、睡眠時無呼吸症候群が挙げられます。睡眠時無呼吸症候群は、睡眠の途中で呼吸が停止したり、浅くなったりする症状を指すことが多いです。
この状態になると、睡眠中の身体に酸素が欠乏しやすくなり、さまざまな悪影響を引き起こす可能性があります。睡眠時無呼吸症候群による代表的な悪影響として、以下のようなものが挙げられます。
- 起床時の頭の違和感
- 日中の強烈な眠気
- 慢性的な疲労感
- 集中力の低下
- 気分の低迷
呼吸数の主な測定方法
呼吸数の主な測定方法として挙げられるのが、息を吸って吐く流れを1回として、1分間にわたって呼吸の回数を数える方法です。呼吸数の測定を実施する際の手順の1つとして、以下の内容が挙げられます。
- 心身が落ち着いた状態で着席してもらう
- 対象者の腹部や胸部を見て、自然な呼吸をしているかチェックする
- 息を吸って吐く流れを1回として、1分間にわたり回数を数える
呼吸数を測定する際は、自然な呼吸であるか確認するために、対象者が動いていない状態で行うことが推奨されています。呼吸の様子が分かりづらい場合は、対象者の腹や胸の辺りに手を添えて確認するのも1つの方法です。
呼吸数の正常値に関するよくある質問
呼吸数の危険値はいくつですか?
呼吸数が1分あたり30回を超えると、危険な値と見なされる場合が多いです。呼吸数が1分間に30回を超える状態では、正常な呼吸から逸脱しており、肺や脳、心臓などに異常がある可能性が高く、注意が必要とされています。呼吸をする際の流れには、4つの特徴が挙げられます。
- 吸息:1~1.5秒
- ポーズ:0.2秒
- 呼息:1~1.5秒
- 休止期:呼吸数によって変化
呼吸数が多くなり過ぎると、呼吸時の休止期がなくなることが少なくありません。また、正常な呼吸の流れが阻害されると、1回の呼吸にかかる時間が短くなり、呼吸回数が過剰になる可能性があります。
呼吸数は普通何回ですか?
成人の場合、通常時の呼吸数は1分あたり12~20回程度と言われています。成人の呼吸数は12~20回の範囲を基準として、多いか少ないかが判断される傾向があり、この範囲を超える場合は、異常の兆候と見なされやすいです。
1分間の呼吸数が20~25回以上の場合、呼吸数が多いと判断され、頻呼吸として扱われることが少なくありません。
反対に、1分間の呼吸数が10~12回を下回ると、呼吸数が少ない状態とされ、徐呼吸と見なされる傾向にあります。
呼吸数の単位は何ですか?
呼吸数の単位は、回/分で表されることが多いです。呼吸数は、1分あたりの呼吸の回数を指すとされています。呼吸の数え方は、吸気と呼気を合わせて1回と換算することが一般的です。
1分間の呼吸数が30回を超えた場合どうなりますか?
1分間の呼吸数が30回を超える状態は、何らかの疾患の症状が悪化している可能性があります。例えばインフルエンザの重症化の判断基準として、1分間の呼吸数が30回を超える状態が挙げられます。
また、発熱している状態で1分間の呼吸数が30回を超えている場合、一時的な風邪の症状ではなく、リスクの高い疾患を患っている可能性が高いです。
呼吸数を測るときに注意すべきことはありますか?
呼吸数を測る際の注意点として、対象者に自然な状態でいてもらうことが挙げられます。対象者に呼吸を意識させてしまうと呼吸数が変化してしまう可能性があるため、対象者がリラックスできるように工夫して呼吸数を測ると良いでしょう。
呼吸数を数える際は、対象者の腹部や胸部の動きを目視することが重要になりやすいです。対象者の腹部や胸部を目視しづらい場合は、手を当てて呼吸の動きを感じ取ることが効果的とされています。
【監修者プロフィール】

江東こころのクリニック院長
谷本 幸多朗医師
九州大学医学部卒業後、帯広第一病院にて救急医療や外科及び内科の研修を経験する。
2013年より久喜すずのき病院にて精神科急性期医療を後期研修し精神保健指定医となる。
2018年より江東区にて一般メンタルクリニックに加えて認知症デイケアを併設した物忘れ外来も行う精神科クリニックである江東こころのクリニックを開業し、現在に至る。
▼主な経験
・精神保健指定医の経験あり
・製薬会社主催の各講演会や地域の医療職対象の勉強会において講演や座長の経験多数あり