目次
リラックスできる呼吸法の種類
リラックスできる呼吸法の種類として、以下のものが挙げられます。
- 丹田呼吸法
- 4・4・8呼吸法
- 4・7・8呼吸法
- 5・3・8呼吸法
- 深呼吸
丹田呼吸法
緊張をほぐし心身をリラックスさせるための呼吸法の1つが、丹田呼吸法です。丹田呼吸法は、下腹部の辺りにある丹という部位を意識して、呼吸を行う方法であると言われています。
丹田呼吸法を用いると、深い呼吸が可能になり、心と身体が安らいでいる状態に切り替えられる効果が期待できます。
また、深い呼吸には自律神経のバランスを安定させる効果があり、副交感神経の働きを優位にしやすいと考えられています。
その結果、血圧や心拍数が下がったり、ストレスホルモンの分泌が抑えられたりすることで、緊張を和らげる効果が期待できます。以下は、丹田呼吸法を行う際におすすめの手順の一例です。
- 身体のこわばりを解き、丹田に両手を添える
- 下腹部を萎めるようにして、時間をかけて息を吐き切る
- 下腹部が限界まで萎んだら鼻から息を吸い、下腹部を膨らませる
- 3秒程度息を止めた後、時間をかけて息を吐き切る
4・4・8呼吸法
4・4・8呼吸法は、緊張を和らげリラックスできる呼吸法の1つとされています。4・4・8呼吸法とは、4秒間息を吸い、4秒間息を止め、8秒かけて息を吐き出すという呼吸法のことです。
時間をかけて深い呼吸を行うと、酸素を多く取り込みやすくなり、体内の酸素濃度も高まりやすくなります。その結果、脈拍が安定することにより、緊張が和らぎやすくなるとされています。
また、4・4・8呼吸法による深い呼吸には、副交感神経の働きを活発にする効果も期待できます。副交感神経が活発になると、血圧が低下し、心と身体が休息しやすい状態になることが多いです。4・4・8呼吸法の効果的な実施方法の一例として、以下の手順が挙げられます。
- 腹部を膨らませることを意識しながら、4秒かけて鼻から息を吸う
- 4秒間息を止める
- 腹部を萎ませることを意識しながら、8秒かけて鼻から息を吐く
4・7・8呼吸法
4・7・8呼吸法は、緊張をほぐし、心身をリラックスさせるのに役立つ可能性がある呼吸法です。なお、この呼吸法はアメリカの医学研究者であるアンドリュー・ワイル氏が提唱したとされています。
4・7・8呼吸法は腹式呼吸の1種であり、スローペースな腹式呼吸を意識しやすいため、横隔膜を動かす効果があると言われています。
横隔膜が動くと自律神経の働きが促進され、副交感神経が優位な状態になりやすいです。この状態では、脈拍が整いやすくなり、身体のこわばりも緩和されやすくなる傾向があります。4・7・8呼吸法の代表的な手順の内容は、以下の通りです。
- 限界まで口から息を吐き切る
- 4秒かけて鼻から息を吸い込む
- 7秒間息を止める
- 4.8秒かけて口から息を吐く
5・3・8呼吸法
緊張をほぐし、心身をリラックスさせるための呼吸法の1つとして挙げられるのが、5・3・8呼吸法です。
5・3・8呼吸法を意識すると、大きく息を吸い、丁寧にしっかり吐き出す呼吸がしやすくなります。また、ゆっくり息を吐き出すことで、自律神経の一種である副交感神経が優位になりやすい傾向にあります。
副交感神経が優位になると、脈拍が落ち着き適度に脱力できるため、心と身体のコンディションが安定する効果が期待できます。5・3・8呼吸法を実施する際の手順の1つとして、以下の内容が挙げられます。
- 5秒かけて鼻から息を吸い込む
- 3秒間息を止める
- 8秒かけて口から息を吐きだす
5・3・8呼吸法では息を大きく吸い、交感神経を程よく刺激するとも考えられています。そのため、交感神経と副交感神のバランスを調律して、気持ちを集中したい時にも有効な呼吸法であると言えるでしょう。
深呼吸
深呼吸は、緊張を和らげリラックスするための代表的な呼吸方法とされています。
プレッシャーを感じたり、心が落ち着かない状態が続いたりすると、呼吸は浅く早くなりがちです。また、浅く早い呼吸は交感神経の活動を活発にする傾向があり、緊張感を高める原因になり得ると考えられています。
そのため、深呼吸を行うことで、副交感神経が優位になり、自律神経のバランスが整いやすくなるため、リラックスした状態を得やすくなるでしょう。 また、副交感神経が優位な状態になると、肉体のこわばりが緩和されることが多く、脈拍も安定しやすくなります。このように、深呼吸は心身のリラックスを促進するおすすめの呼吸法となるため、是非試してみると良いでしょう。
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呼吸法はなぜリラックス効果をもたらすのか
呼吸の仕方によって心と身体が落ち着いた状態になるのは、呼吸が自律神経の1種である副交感神経に作用すると考えられているためです。
副交感神経が優位になると、心や身体が休息モードに入るとされており、平静を保った状態を維持しやすくなります。
主に腹式呼吸を意識した呼吸法は、副交感神経に働きかける効果が期待できるため、リラックス効果をもたらすと言われることが多いです。
さらに、呼吸は体内のホルモンバランスにも良い影響を与える可能性があり、心身の平穏を維持することに役立つと考えられています。
深い呼吸を意識することで、セロトニンの分泌促進やコルチゾールの分泌抑制といった効果が期待できます。セロトニンは幸せホルモンとも呼ばれ、メンタルバランスを保つ役割を果たすとされているホルモンです。
リラックスに効果のある呼吸法に関するよくある質問
呼吸法にはリラックス効果以外にどのような効果がありますか
呼吸法を実践することで、リラックス効果にとどまらず、心身のさまざまな側面においても恩恵をもたらす可能性があります。呼吸法を実践することによって得られる主な効果としては、以下のようなものが挙げられます。
- 免疫機能が向上する場合がある
- 代謝の活性化に繋がる
- 胃腸の働きが改善する可能性がある
- 喉にかかる負担が減少する
- 姿勢が整う
- 腰痛を防止できる見込みがある
呼吸法を実践すると緊張が解けますか
呼吸法を実践すると、交感神経よりも副交感神経が優位な状態になり、緊張が解けやすくなることがあります。一方で、緊張している状態では心肺機能が活発になり、呼吸が浅くなってしまうことが少なくありません。
呼吸法の実践によって深い呼吸ができるようになると、交感神経よりも副交感神経が優位な状態になりやすいです。
その結果、身体のこわばりが緩み、心拍や血圧が安定するなどの変化が起こり、緊張を解く効果が期待できます。
呼吸と自律神経にはどのような関係がありますか
呼吸は、自律神経を意図的にコントロールする手段の1つと言えます。また、普段意識をしていない間にも、自律神経が呼吸を制御し、適宜調整を行っていると考えられています。
自律神経には、交感神経と副交感神経の2種類があり、それぞれがバランス良く働き生命活動を支えていると言われています。例えば、浅く短い呼吸になりやすい胸式呼吸を続けると、交感神経が優位になりやすくなります。その結果、緊張感が高まり、活発な状態になるほか、集中力が向上することが期待されます。
一方で、腹式呼吸を行うと、長い時間をかけて息を吐き出すことが可能になり、副交感神経が優位になりやすいです。副交感神経が優位になると、心身が落ち着き、リラックスした状態に変化することが期待されます。
セロトニンを増やす呼吸法はありますか
セロトニンを増加させる呼吸法の1つとして、丹田呼吸法が挙げられます。丹田呼吸法は、へその下部に意識を向けて行うことが主な特徴です。 丹田呼吸法の実践は、セロトニンの増加に有効な方法であると考えられています。さらに、丹田呼吸法は、時間をかけて深い呼吸を行うため、呼吸が浅くなりセロトニンが減少するのを防ぐ効果も期待できます。
【監修者プロフィール】

江東こころのクリニック院長
谷本 幸多朗医師
九州大学医学部卒業後、帯広第一病院にて救急医療や外科及び内科の研修を経験する。
2013年より久喜すずのき病院にて精神科急性期医療を後期研修し精神保健指定医となる。
2018年より江東区にて一般メンタルクリニックに加えて認知症デイケアを併設した物忘れ外来も行う精神科クリニックである江東こころのクリニックを開業し、現在に至る。
▼主な経験
- 精神保健指定医の経験あり
- 製薬会社主催の各講演会や地域の医療職対象の勉強会において講演や座長の経験多数あり