コラム

2024.08.13

【五月病になりやすい人必見】なぜ五月病になる?対策・対処法を紹介

五月病とは?

五月病とは、新しくなった環境に適応できないことが原因で起こる精神的な症状の総称です。

就職や入学などで4月から新しい生活になり、環境が大きく変化した社会人や学生などに見られることが多いでしょう。新しい生活環境で過ごすと、不慣れなことや神経を使うことが増え、ストレスを溜めやすくなります。

このようなストレスの蓄積により新生活の開始から1カ月が経った5月頃に不眠や倦怠感など、心身に影響が現れることがあります。それらの症状を一般に、五月病と呼ぶことが多いです。

五月病になりやすい人の傾向・特徴

五月病になりやすい人の主な特徴は、以下の4つが挙げられます。

  • 悩みの相談ができない人
  • 周りの人にどう思われているか気になりすぎる人
  • 何事も完璧にこなしたい人
  • 変化に対応することが苦手な人

上記に挙げたような、自分に厳しい人や悩み事を抱えやすい人はストレスを溜めやすく、五月病になりやすいと言えるでしょう。ただし、五月病の症状はどのような人にも起こり得るため、注意が必要です。

五月病の主な対策・防止

五月病の主な対策や防止策には、以下のようなものがあります。

  • 日の光を浴びる
  • 深呼吸をする
  • 相談できる人と話す
  • 適度に体を動かす
  • 質の良い睡眠をとる
  • 趣味に没頭する
  • 栄養バランスを意識する

日の光を浴びる

日の光を浴びることで、五月病の対策になることがあります。

毎朝日光を浴びると体内時計が調整され自律神経のバランスが整いやすくなるでしょう。また日の光を浴びると、セロトニンという幸せホルモンが分泌されます。セロトニンの分泌により気付かないうちに蓄積されていたストレスが解消され、五月病になりにくくなるでしょう。

深呼吸をする

深呼吸をすることも、五月病の対策になると言われています。

環境の変化にストレスを感じているときは、呼吸が浅くなっていることが多いです。そのようなときは意識して深呼吸をしてみるのがおすすめです。冷静になり、思考を整理できるようになるでしょう。

その結果、気持ちが前向きになり、五月病になりにくくなる可能性があります。

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相談できる人と話す

悩みを相談できる人に話すことも、五月病対策に有効です。不安や悩みを人に相談すると、後ろ向きな気持ちが軽減され、気持ちが穏やかになることがあるでしょう。

また、相談相手から意見を引き出すことで、別視点の考え方を知ることができ、問題解決のきっかけを得られる場合もあります。

適度に体を動かす

五月病の対策として、適度に体を動かすことも良いと言えます。ジョギングなどの軽い運動は、ストレス解消に効果があり、精神状態の改善に繋がると考えられています。

一方、負担の大きい運動は逆効果になる可能性があるため、注意が必要です。継続して運動できるよう無理のない範囲で体を動かしましょう。

質の良い睡眠をとる

五月病の対策として、質の良い睡眠をとることも重要です。

睡眠には、体の疲労を回復するのみでなく、精神の疲労を回復する効果もあります。睡眠が不足しているとストレスが溜まりやすく、五月病になる可能性は高くなるため、睡眠不足には気をつけて日常生活を過ごしましょう。

趣味に没頭する

趣味に没頭することも、五月病対策の一つです。趣味に没頭することで、ストレス源を忘れることができ、気持ちが軽くなる場合があるでしょう。また、自分の好きなことをしていると幸せな気持ちになるため、五月病の対策に繋がります。

カラオケやスポーツなど、手軽に継続できる趣味がおすすめと言えます。趣味がない人は、自分の好きだと思えることを探してみましょう。

栄養バランスを意識する

食事の栄養バランスを意識することも、五月病対策の一つだと考えられています。

栄養バランスが偏ってしまうと、体内で栄養が不足し、頭が働かなくなったり、気持ちをコントロールしにくくなる場合があります。栄養バランスを意識した食事を心がけることで、体内に栄養が行き届き、免疫力が高まるため、五月病になりにくくなるでしょう。

五月病になるのはなぜ?主な原因を紹介

五月病になる主な原因には、以下のようなものがあります。

  • 目標を見失っている
  • 理想と今の自分に差がある
  • 環境の変化についていけない

目標を見失っている

五月病になる原因の一つに目標を見失ってしまうことが挙げられます。目標がない状態では頑張る理由がないことからモチベーションが下がり、五月病になってしまうことがあるでしょう。

例えば、大学受験で全力を出し尽くし、入学後にやりたいことがない状態や、就職活動が成功して良いキャリアに進めたが、自分の目標を見失ってしまった状態などが当てはまります。いずれも、大きな目標を達成したことで、次の目標を目指す気力がないケースと言えます。

理想と今の自分に差がある

理想と今の自分に差があることも、五月病の原因の一つです。理想の生活と今の生活に差があることでモチベーションを失い、五月病になってしまうケースがあります。

例えば、大学に入学して華やかなスクールライフを想像したが、現実では友達ができずに孤立してしまったり、会社で希望していた部署に配属されなかったことなどが該当するでしょう。思い描いていた理想と現実に差があると、精神的なダメージを受けやすくなってしまいます。

環境の変化についていけない

五月病になる原因の一つとして、環境の変化についていけないことも挙げられます。新しい環境になり人間関係が変化すると、気が付かないうちにストレスが溜まりやすくなるでしょう。

それは、新たな環境に適応するため、心身に負担や悪影響が生じてしまうことが原因と考えられています。

五月病になってしまったときの対処法・治し方

五月病になってしまったときは、頭の中で考えていることをノートに書き出してみましょう。不安なことや悩みをノートに書き出し言語化することで、自分を客観視することができ、原因を特定できる場合があります。

原因を特定できたら、上記で紹介した五月病の対策を試してみると良いでしょう。ただし、これらの方法を試しても気持ちが落ち着かない場合は、専門家への相談を検討してください。

五月病の人に見られる主な症状

五月病の人に見られる主な症状には、以下の4つが挙げられます。

  • 人との関わりが面倒になる
  • 脱力感がある
  • モチベーションが上がらない
  • 不眠になる

これらの症状が現れたら、五月病の可能性があるため、対策が必要です。

また、自分では自覚していなくても、元気がないなどの症状を他人から指摘されたときは、五月病の恐れがあります。

五月病の対策に関するよくある質問

五月病とうつ病の違いは何ですか?

五月病の初期症状には、やる気が出ない、食欲が落ちる、眠れなくなるなどがあります。これらの症状はうつ病の症状と重なる部分がありますが、五月病はあくまで俗称で、病名ではありません。

五月病の人は周りの環境が悪いと感じることが多い一方で、うつ病の人は自分を責めてしまうという特徴があると言われています。

しかし、五月病がきっかけでうつ病になるケースもあるため、症状が継続する場合は早めに医療機関などに相談することをおすすめします。

なぜ五月病になると倦怠感を感じるのですか?

五月病になると倦怠感を感じてしまう主な理由は、交感神経と副交感神経のバランスが乱れるためだと考えられています。通常、交感神経は活動している一方で、副交感神経が体を休めているなど互いにバランスをとりながら体の状態を整えています。

しかし、周囲の環境などが原因でストレスが蓄積されると、このバランスが乱れてしまい、倦怠感を感じてしまうようになるでしょう。

五月病はどれくらいの期間続きますか?

五月病は、環境の変化に慣れるまで、約1〜2週間続くと言われています。五月病の症状がそれ以上の期間続いている場合は、精神科など専門家への相談を検討しましょう。

五月病の人にどのように接したら良いですか?

五月病の人に接する際は、いつも通りに接すると良いでしょう。それは、励まそうと思ってかけた言葉がかえって、五月病の人をさらに追い詰める結果になる可能性があるためです。

特別なことをするのではなく、いつも通りに接し、悩みを打ち明けてくれたときには、否定せずに共感することが大切です。

【監修者プロフィール】

江東こころのクリニック院長 

谷本 幸多朗 医師

九州大学医学部卒業後、帯広第一病院にて救急医療や外科及び内科の研修を経験する。

2013年より久喜すずのき病院にて精神科急性期医療を後期研修し精神保健指定医となる。

2018年より江東区にて一般メンタルクリニックに加えて認知症デイケアを併設した物忘れ外来も行う精神科クリニックである江東こころのクリニックを開業し、現在に至る。

主な経験

  • 精神保健指定医の経験あり
  • 製薬会社主催の各講演会や地域の医療職対象の勉強会において講演や座長の経験多数あり
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