目次
緊張で心臓がバクバクしてしまうときの対処法
緊張で心臓がバクバクしてしまうときの対処法として、以下の7つの方法が挙げられます。
- 深呼吸をしてリラックスする
- ストレッチをする
- 緊張を和らげる香りをかぐ
- 好きな音楽を聞く
- ツボを押す
- 軽い運動をする
- 友人に自分が緊張していることを話す
深呼吸をしてリラックスをする
緊張で心臓がバクバクした際、深呼吸をしてリラックスすると、動悸が和らぐことがあります。
深呼吸は、一般的に鼻から息をゆっくり吸い、口からゆっくり吐く呼吸法です。深呼吸には副交感神経を活性化させる効果が期待できます。
緊張やストレスを感じたとき、交感神経が優位となり、心臓がバクバクすることが多いです。しかし、深呼吸をすることによって副交感神経を優位にさせることで、心身がリラックスしやすくなるでしょう。その結果、心拍数が下がり、心臓のバクバクが和らぐ可能性が高いです。
具体的な深呼吸の方法として、まず口から息を吐いた後、鼻からゆっくりと息を吸い込みます。その後、口からゆっくりと息を吐きます。この動作を4〜5回ほど繰り返すことが推奨される場合が多いです。
また、深呼吸はゆっくり、大きく行うように意識すると良いとされています。ただし、無理に深呼吸を繰り返すと苦しさを感じることがあるため、注意しましょう。
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ストレッチをする
緊張で心臓がバクバクしたときの対策として、ストレッチが有効であると言われています。ゆっくりとしたストレッチを行うと、副交感神経が活発になると考えられているからです。
副交感神経が活発になることによって、心拍数を下げ、心臓のバクバクが落ち着く場合が多いです。
ストレッチを行う際には、呼吸をしながら、ゆっくりと筋肉を伸ばすことを意識して行うと良いでしょう。心地良さを感じられるようなストレッチが理想的と言えます。また、痛みが出てしまうほどのストレッチは避けたほうが良いでしょう。
緊張を和らげる香りをかぐ
緊張で心臓がバクバクした際は、緊張を和らげる香りをかぐと良いでしょう。
ただし、緊張を和らげる香りは人によって様々です。そのため、自分が好きな香りを探してみることがおすすめです。お気に入りの香りをかぐことで、副交感神経が優位となり、気持ちがリラックスする場合があります。
緊張を和らげる香りは、以下の8つの香りがあるとされています。
- ベルガモット
- マンダリン
- ラベンダー
- オレンジ・スイート
- レモン
- グレープフルーツ
- ネロリ
- ヒノキ
- コーヒー など
注意点として、リラックス効果がある香りと言われていても、ご自身が不快に感じる香りであれば、ストレスを感じてしまう場合があるため、注意しましょう。
好きな音楽を聞く
緊張で心臓がバクバクしたときの対処法の一つに、好きな音楽を聞く方法があります。
音楽を聞くことは、感情を司る脳に直接働きかけ、副交感神経を活性化させる効果があるとされています。
そのため、好きな音楽を聞くとリラックスでき、緊張が和らぐ場合が多いです。よって、リラックスできる音楽を聞くと、副交感神経を優位にさせ、心臓のバクバクを落ち着かせてくれると言えます。
聞く音楽は、聞いていて気分が良くなる、自分が好きな音楽を選ぶと良いでしょう。
ちなみに、クラシックや自然音などの明るい響きの音は、癒し効果が高いと言われており、よりリラックスできる可能性が高いです。より高いリラックス効果を得るために、音楽に集中できる環境を整えることも大切でしょう。
ツボを押す
緊張で心臓がバクバクしたときの対策として、ツボを押すことも有効であると言われています。
ツボ押しは自律神経のバランスを整えてくれるため、緊張状態から気持ちを落ち着かせてくれると考えられています。
緊張をほぐしてくれるツボとして、主に以下の7つが紹介されることが多いです。
- 労宮(ろうきゅう):手を握り、中指の先が当たる場所
- 大陵(だいりょう):手首の内側、横じわの中央
- 内関(ないかん):手首の内側、横じわ中央から三横指分下の腱の間のくぼみ
- 合谷(ごうこく):手のひら、親指と人差指の間にあるくぼみ
- 上星(じょうせい):髪の生え際の中央から2cm程上の場所
- 膻中(だんちゅう):胸の中央
- 百会(ひゃくえ):左右の耳の上部を頭の頂点で結んだ部分
ツボ押しは1回につき5秒程度を目安に3〜5回、気持ち良いと感じられる強さで行うと気持ちを和らげる効果が期待できます。また、ゆっくりと力を入れて、徐々に力を抜いていくと良いでしょう。
軽い運動をする
緊張で心臓がバクバクしたときに、軽い運動をすることは効果的な対処法の一つです。「軽い運動」とは、息が上がらず、軽く汗をかく程度の動きを意味することが一般的です。
軽い運動を行うことで、緊張による過剰なアドレナリン分泌を抑えられるため、心拍数が徐々に落ち着くと言われています。また、体を動かすことで脳に酸素が行き渡り、リラックスしやすくなる効果も期待できます。
例えば、緊張で心臓がバクバクしたときには、その場で軽く屈伸運動をすると良いでしょう。屈伸により膝の曲げ伸ばしをすると、全身の血流が促進され、心拍数を落ち着かせる効果が期待できます。また、肩をゆっくり回す運動や、手首・足首を軽く回す運動も効果が見込めます。
友人に自分が緊張していることを話す
緊張で心臓がバクバクしたとき、友人に自分が緊張していることを話すことは有効な手段でしょう。
自分が緊張状態であることを具体的に友人に伝えると、「緊張して事実を隠さなくてはいけない」というプレッシャーから解放されることが多いです。
また緊張している内容を言葉にすることで、自分の気持ちを整理する効果も期待できます。
例えば、大勢の前で話す前に緊張している場合、友人に「人前で話すのが苦手で、今すごく緊張しているんだ」と伝えると良いでしょう。
ただし、友人が忙しそうだったり、集中している場合には、声をかけるタイミングに配慮しましょう。
話したときにプレッシャーを与えてくるような相手だと逆にストレスが増える可能性があるため、信頼できる相手を選んで話すことが重要だと言えます。
緊張で心臓がバクバクする原因
緊張で心臓がバクバクする原因は、主に交感神経が優位になっているためだと考えられています。
交感神経とは、一般的に興奮やストレスに対する反応を調整し、心拍数を増加させるなど身体の活動を促進する自律神経の一部とされることが多いです。この交感神経には心臓を刺激し、収縮を強める働きがあると言われています。
緊張を感じると、体内で交感神経が優位になりやすく、その結果として心拍数が上がり、いわゆる「心臓がバクバクする」状態にもなりやすいです。
例えば試験や就職面接などの重要な場面では、緊張によって交感神経が優位となり、心臓がバクバクすることがあります。また、新しい場所や初対面の人との交流時にも緊張を感じ、心臓がバクバクすることがあります。
このような緊張状態が長時間続いたり、日常的に繰り返されると、健康問題につながる可能性があります。そのため、定期的にリラックスし、心臓の鼓動を落ち着かせる時間の確保が重要だとする見解も多いです。
緊張で心臓がバクバクしやすい人の特徴
緊張で心臓がバクバクしやすい人には、主に以下4つの特徴が見られることが多いです。
真面目な人
真面目な人は緊張で心臓がバクバクしやすくなります。
また、真面目な人は責任感が強い傾向があります。その責任感により、細かいところまで注意して物事に取り組んでいることから、間違いを見落とすまいと自らに対してプレッシャーをかけてしまうことが多いです。
例えば、学校のテストで良い成績を目指す真面目な人は、テスト直前に緊張してしまい、心臓がバクバクすることがあります。他にも、仕事場でチームのリーダーに任命されたとき、自分のミスで全員に迷惑がかかると考えて、心臓がバクバクする人も多いです。
真面目で責任感が強いことは良いことですが、疲労と心身の健康に影響を与える可能性があります。緊張が続いて睡眠不足や体調不良を抱えている場合は、早めに医療機関を受診すると良いでしょう。
完璧主義な人
完璧主義な人も、緊張で心臓がバクバクしやすいです。
完璧主義な人はどんなことでも完璧に取り組みたいという意識が強い傾向が見られます。
そのため、完璧主義の人にありがちな小さなミスも許せないという考え方は、プレッシャーを大きくしてしまい、緊張状態になりやすくなります。
例えば、プレゼンテーションの場面で完璧主義な人は、細部にこだわることから準備に時間をかけ過ぎてしまうことがあります。準備に時間をかけたことから、本番では「完璧にプレゼンしなくてはいけない」と考え、緊張が高まってしまうことが多いです。
常に完璧を求めてしまい、緊張状態が続いてしまうと精神的な不調に繋がりやすいです。そのため、「できないこと」ではなく、「できたこと」に着目して自分を認めるように心がけましょう。
ネガティブ思考の人
ネガティブ思考の人も、緊張で心臓がバクバクしやすい傾向があります。
ネガティブ思考の人は、「うまくいかなかったらどうしよう」「失敗したらどう思われるだろう」と悪い結果を想像してしまいやすいです。
このようにネガティブ思考の人は自信がないことが多く、不安を感じやすいため、緊張状態に陥ってしまう可能性が高いです。
その結果として、「きっとうまくいかない⋯」と、常に不安を感じてしまい、心臓がバクバクしやすくなります。
緊張が高まると、思考がさらにネガティブになり、より緊張しやすくなるという悪循環に陥ることがあるため注意が必要だと言えます。
他人の評価に敏感な人
他人の評価に敏感な人も、緊張で心臓がバクバクしやすいです。
他人の評価に敏感な人は、周囲からどう思われるかを常に気にする傾向があります。「失敗したらどう思われるか」「恥ずかしい思いをしたらどうしよう」といった思いが強く、緊張を感じやすいです。
例えば、人前でのスピーチは、「失敗したらどう思われるだろう」と考えすぎることから緊張してしまい、心臓がバクバクするケースがあります。
このように他人からの評価を気にしすぎると、恐れから自己表現ができなくなり、ストレスを感じやすくなると言えるでしょう。
緊張で心臓がバクバクした際に現れる症状
緊張で心臓がバクバクした際に現れる症状には、主に以下の4つの症状が挙げられます。
- 呼吸が浅くなる
- 腹痛や胃もたれが起こる
- 冷や汗をかきやすくなる
- のどが渇く
呼吸が浅くなる
緊張で心臓がバクバクした際に、呼吸が浅くなることがあります。
心臓がバクバクすることと呼吸が浅くなることは、互いに影響し合うことがあります。
緊張すると交感神経が優位になり、呼吸が速く浅くなりやすいです。その結果、酸素の供給が減少し、心拍数がさらに上がる可能性があります。
例えば、試験直前に「失敗したらどうしよう」と不安になり、心臓がバクバクしてしまうケースがあります。心臓がバクバクした結果、呼吸が速く浅くなり、胸が苦しくなって試験に集中できなくなる恐れがあります。
苦しくなるほど症状が強い場合や、症状が繰り返し起こる場合には、病気の可能性があるため医療機関を受診しましょう。
腹痛や胃もたれが起こる
緊張すると、腹痛や胃もたれを感じる人も多いです。
これは交感神経が優位になり、胃腸の働きが抑制されるためだと考えられています。
緊張しすぎると胃腸の働きが抑制されることから、胃酸が多く分泌されたり、腸の動きが乱れることがあります。これにより、腹痛や胃もたれに繋がってしまうでしょう。
例えば、大事なプレゼン直前に、「失敗したらどうしよう」と考えすぎて胃がキリキリと痛み出してしまうケースがあります。また、胃もたれ感が強まり食事が喉を通らなくなることもあるでしょう。
冷や汗をかきやすくなる
緊張して心臓がバクバクしたとき、冷や汗をかきやすくなります。
これは、交感神経が活発になり、体がストレスに反応して汗腺を刺激するためだと言われています。多くの場合、汗腺は体温調整に関与しますが、ストレス下でも活性化する可能性が高いです。
また、冷や汗は体温調節ではなく、危機を感じた際の防衛反応として起こり得ます。
例えば、大勢の前で発表する直前、心臓のバクバクを感じ、手のひらにじっとりと冷や汗をかくことが多いでしょう。
このように、冷や汗は身体がストレスに対応するための自然な防衛反応である場合が多いため、正常な反応だと受け入れることが大切だと言えます。
のどが渇く
緊張で心臓がバクバクした際、のどが渇くことがあります。具体的にはプレゼンやスピーチなど、緊張感が高まる場面で現れることが多いです。
これは、緊張により交感神経が優位になることで唾液の分泌が抑えられるためだと考えられています。唾液が減少すると、口の中が乾燥し、話しづらさや不快感を感じる可能性が高いです。
例えば、大勢の前でスピーチをする際、緊張で口がカラカラに乾いてしまうことがあります。そのとき、話し始めても滑舌が悪くなり、「のどが渇いて声が出しづらい」と感じるケースがあります。
また、緊張によりのどが乾いたことから過剰に水を飲むと、トイレが近くなり逆に不安が増すことがあります。そのため、水を一気に飲まずに、こまめに少量ずつ飲むことで、のどの乾きを防ぎやすくすると良いでしょう。
心臓がバクバクしてしまう症状の具体例
心臓がバクバクするという症状は、人によって感じ方や表現が異なると言われています。
感じ方や表現が異なる理由は、個人の体質や敏感さの違いが影響するためだと考えられています。
心臓がバクバクする症状は、主に以下のような症状を指す場合が多いです。
- 脈が速くなる
- 脈が不規則になる
- 胸が苦しくなる
- 息が切れる など
症状が続く場合や辛さを感じている場合には、医療機関で専門家に相談しましょう。
緊張で心臓がバクバクしてしまうときの対処法に関連するよくある質問
あがり症を落ち着かせる方法はありますか?
あがり症を落ち着かせる方法として、主に以下の対処法が挙げられます。
- 深呼吸をする
- ポジティブな言葉を心の中で繰り返す
- ツボを押す
- 小さな成功体験を思い出す
- 好きな音楽を聞く など
緊張を緩和してくれる食べものはありますか?
主に以下の食べ物に、緊張を和らげる効果があると考えられています。
- ナッツ類
- ほうれん草
- アボカド
- ダークチョコレート
- ヨーグルト
- 緑茶
- サーモン
- ブルーベリー
- バナナ
- ココア
- ホットミルク
- チーズ
- キムチ など
以上の食べ物を食べる際は、糖の摂りすぎに注意し、栄養バランスを意識して食べると良いでしょう。
過緊張になるとどのような症状が現れますか?
過緊張になると、以下のような症状が現れることがあります。
- 心臓がバクバクする
- 手足が震える
- 呼吸が浅くなる
- のどが渇く
- 筋肉がこわばる
- 集中力の低下する
- ネガティブ思考になる
- 言葉が出にくくなる
- めまいが発生する
- 腹痛になる
- 眠れなくなる など
心臓がバクバクしやすい精神疾患はありますか?
心臓がバクバクしやすい精神疾患は、主に以下のものがあると考えられています。
- パニック障害
- うつ病
- 過換気症候群
- 自律神経失調症
- 不安障害
心臓のバクバクが定期的に起こる場合や辛さを感じたときには、医療機関を受診しましょう。
【監修者プロフィール】

江東こころのクリニック院長
谷本 幸多朗医師
九州大学医学部卒業後、帯広第一病院にて救急医療や外科及び内科の研修を経験する。
2013年より久喜すずのき病院にて精神科急性期医療を後期研修し精神保健指定医となる。
2018年より江東区にて一般メンタルクリニックに加えて認知症デイケアを併設した物忘れ外来も行う精神科クリニックである江東こころのクリニックを開業し、現在に至る。
▼主な経験
・精神保健指定医の経験あり
・製薬会社主催の各講演会や地域の医療職対象の勉強会において講演や座長の経験多数あり